今朝はのんびりホテルのバイキング朝食を楽しんでからおもむろに駅へ。もう若くないせいか、朝はこのくらいゆっくりとした始まりがベストのように思ってしまったりして。
まずは釧路を8時過ぎに出る「花咲線」の列車でさらに東へと向かいます。乗客は数人程度で、一見したところ、そのほとんどが「大人の休日パス」利用者と思われます。つまり通常の地元利用者はほとんど居ないという状況に、危機感を抱かずにはいられなくなります。
人工物のほとんど見当たらない原野の中を、真っ直ぐにレールが続きます。この、いかにも北海道らしい風景がまたたまりません。
厚岸の駅を前後して、車窓右手に広がる厚岸湾の眺望。これぞまさに「花咲線」最大のハイライト。
終点の根室を目前にして、途中の花咲駅で降ります。来年3月に廃止が予定されている駅です。
北海道ではすっかりお馴染みとなった、車掌車を改造した所謂「貨車駅」です。
「貨車駅」の中はとても居心地がよく、ワンルームマンションとでも言いたくなるほど。一人分の長イスがベッド代わりにちょうどよく、若かりし頃はよくこういう駅で駅寝したものです。
置かれていた「駅ノート」によると、この駅を目指してやって来る旅行者が随分と増えた様子。駅の廃止を気にしている人は予想以上に多そうです。
駅前には、広い牧場を持つ農家が一軒あるだけで他に民家は見当たらず、やはりもうこの駅を定期的に利用する人は居なくなってしまったのでしょうか。
こんな駅でもかつては立派な駅舎があり、駅長さんも常駐し、それなりに活気があったはず。現状からはとても想像できないけれど。
折り返しの列車で花咲駅を後にします。恐らくもう訪れることはないでしょう。
ここでの目的は果たしたけど、ダイヤの都合上まだ他の駅でも降りられるので、秘境駅で知られる初田牛にしてみました。
ここは見渡す限り周囲に人家一軒見当たりません。駅舎はカプセルタイプの粗末な建物になっていますが、こんな駅でもかつては立派な駅舎を有し、貨物の取り扱いもしていたというのだから、にわかにはちょっと信じられませんね。
駅前から続く道は全て未舗装。まさに原野の中へと続いている感じです。
こんな寂しい所で列車が来なかったら、それこそ途方に暮れてしまいそうですが、やはり時間になれば必ず列車はやって来ます。ということで、初田牛を脱出。
釧網本線に乗り換えるため、東釧路で下車。
僕が最初に降りた20年余り前は、まだ駅は有人で2人の駅員の姿を確認しましたが、今はもう完全な無人駅。駅舎は当時のままですが、窓口は板で塞がれ、随分と寂しくなりました。
網走行の列車がやって来ました。まだ午後の4時を回ったばかりだというのに、もうほとんど夜に近い感じです。夏と冬で日照時間が極度に違う北海道ならではの特徴ですね。
釧路湿原の辺りで野生のシカと衝突するというハプニングに見舞われ、列車は遅れ気味。さらに標茶では時間を調整して対向列車とすれ違うこととなり、ざっと30分くらいは遅れることに。なお、通学の高校生の話によると、シカとの衝突は結構頻繁にあり、特に珍しいことではないとのこと。運転士の苦労が偲ばれます。
結局そのまま30分くらい遅れたまま終点の網走に到着。接続する石北本線は発車を遅らせて待ってくれていました。すかさず乗り換え。
下校の高校生をたくさん乗せて、列車は真っ暗な中を走行。走ること一時間余り、北見に到着。本日の行動はここまでです。
釧路 8:11 → 10:41 花咲 11:53 → 12:29 初田牛 14:12 → 15:47 東釧路 16:09 → 19:50頃 網走 19:55頃 → 21:05頃 北見