「あけぼの」は深夜の上・信越道をひた走り、終着青森を目指します。
一夜が明けすっかり朝になると、もう寝ている雰囲気ではなくなり、座席として走行を楽しむことにします。通常の寝台と違い、使用済みとなったシーツや毛布が散乱することがないので、見た目もスッキリしています。
デッキには今ではすっかり見かけなくなった冷却飲料水が。「あけぼの」には自販機がないため、飲料水の設備は重宝します。
前夜上野を経ってからはるばる12時間余り。「あけぼの」は定刻に青森へと到着。こちらでもカメラを抱えた大勢のファンが待ち構えていました。
到着するとすぐに機関車は切り離してしまいますが、客車自体はまだしばらく留め置かれます。
「あけぼの」に乗るという今回の目的は果たしたけれど、せっかく青森まで来たことでもあるので、付近一帯が乗り放題となる「津軽フリーパス」を利用して、適当に乗り歩きを試みることにします。差し当たりロングシートの701系に乗って弘前方面へ折り返すことにしました。
やって来たのは大鰐温泉です。20年前に訪れた時は、売店もあって活気の感じられる駅でしたが、それに比べると随分と寂しくなった気がしてなりません。
JRの駅に隣接して弘南鉄道の駅舎も。こちらは随分と年季の入った佇まいです。
終点の中央弘前まではおよそ30分の道のり。その距離13.9キロはJRと並行するものの、途中に駅が1つしかないJRに対し、こちらは12もの駅を有するため、うまい具合に棲み分けはできているのでしょう。中央弘前の駅は、町の中心部に位置しますが、JRの駅からは少し離れています。
JR側へ抜けようか迷ったけど、そのまま引き返すことにしました。田んぼやリンゴ畑が続く車窓は、雪が積もっているため単調な感じです。
今度はJRの電車で弘前方面へ戻ります。
約30分かかる弘南鉄道に対し、JRは僅か12分で弘前に到達。
持参の切符は、弘前市内の路線バスにも乗れるので、こちらも適当に乗り降りしてみます。町の様子がよくわかってなかなか楽しいです。
黒石へ行く弘南鉄道の弘南線にも乗ることにしました。もちろんこちらもフリーパス。
終点の黒石に到着。黒石線があった頃を思い出します。
弘前へと折り返し、今夜は青森に宿を取ったので、さらにJRで青森へと移動。
青森に着くと、ちょうど上野行の「あけぼの」が発車の時刻を迎えつつあったので、しばし留まって見送り。もう一回くらい乗りたいけど、たぶんもう切符は取れないだろうな。