東横線と地下鉄副都心線の直通運転に伴い、長年親しまれてきた東横線渋谷駅の地上ホームがいよいよその役割を終えることとなり、最後の姿を目に焼き付けようと、渋谷へとやって来ました。
夕方前の渋谷駅は、それほど変わった様子は見られず、いつも通りに人が行き来しています。往来が激しいのはいつものことで、普段通りの混雑と言えます。
それでも先頭付近はカメラを構える人が多く、いよいよ最後の時が近づいたのを感じずにはいられません。ホームが狭いため警備の係員も大変ですが、電車は次々と発着するため、写真を撮る人も入れ替わり立ち代わり、目だった混乱にはならないようです。
改札の外側でも多くの人が立ち止まって写真を撮っています。携帯カメラの普及により、気軽に写真を撮る人が以前に比べとても多くなりました。
駅前の歩道橋からも撮ってみます。いつも当たり前のごとくここから発車して行く電車を無意識のうちに眺めていただけに、もう明日からここに電車がやって来ないことがにわかには信じられない想いです。
適度に走行写真も撮りながら、地下化される代官山まで歩いてみます。そう言えばこの辺でこんな風にじっくり電車を眺めながら歩いたことなどなかったような。
山手線と交差する跨線橋では、しばし腰を据えて構えてみます。どちらも本数が多いので、少し待っていれば互いに行き来するシーンが簡単に撮れます。でもこんな光景が見られるのも今日限り。
この跨線橋は撮影スポットになっているらしく、たくさんの撮りテツがシャッターチャンスを狙っています。
代官山駅近くの踏切も今日限りとあって、ここでも写真を撮る人の姿が目立ちます。
代官山駅のホームです。ここは明日になってもこのまま使用されます。
写真ではわかりにくいですが、新線への切り替えは、ちょうどホームを出たあたりの部分。この線路の下には新しいレールが敷かれています。
夜が更けるにつれ、渋谷の駅は人が減るどころかどんどん増えてきました。普段の金曜日でもこれほどの混雑にはならないかと。
改札の外では、切符に渋谷駅の無効印を押してもらう人の長蛇の列となっています。
間もなく終電というのに、人はどんどん増えて行くばかり。乗る人と見送る人がごっちゃになり、もはや収拾がつかなくなりそうですが、物凄い数の警備員によって、何とか混乱は収まっているようです。それにしても凄い人です。
終電が出ても、まだホームにはたくさんの人が居残っています。本来なら明朝の一番列車として留め置くはずの車両も今日は車庫へと引き上げるため、その最後の列車が発車して行くのを見届けます。そしてもう二度とここへ電車がやって来ることはありません。
深夜の1時を過ぎ、他の線区も既に終電は出た後というのに、まだまだ大勢の人が居残っています。恐らく大半の人はもう帰るのを諦めていると思われます。
そのうちに人も居なくなり、改札口の前にはバリケードが。東横線地上ホームは完全にその役目を終えることとなりました。
最後にもう一度、駅前の歩道橋に来てみました。ホームに電車の姿が全くないのを見るのはもちろんこれが初めてです。もう二度とここで電車を見ることはできないのですね。やっぱりちょっと寂しい気も。