旅もそろそろ終盤へ。
気持ちのいい目覚めと共に、朝風呂を浴びて朝食へ。あの価格ならさすがに朝食はたいしたことないだろう、との予想は大きく外れ、ボリューム満点の豪華バイキング。朝からガッツリの食べ放題。この盛り付けはほんの一例ですぞ。
お世話になった「大和荘」を後にします。三江線を旅する際にはこれからもちょくちょく利用させてもらいたいものです。
宿から最寄駅の潮までは歩いてもせいぜい5分の距離。ホームのすぐ前は江の川が流れ、只見線の早戸駅を連想させる眺めです。
やがて浜原方面より三次行が定刻にやって来ました。列車はこの後夕方まで9時間以上ないので、これに乗り遅れたら大変なことになります。でもそれもローカル線を旅する際には覚悟の上。
三次に到着。山と川ばかり続いたせいか、やたらと都会に思えてしまいます。
のどかな景色が続きます。
備後落合に近づくにつれ、渓谷沿いの険しい道のりとなり、速度制限がかかる中、ゆっくりゆっくりと走ります。
備後落合に到着。相変わらず寂しい乗換駅ですが、今日はトロッコ列車の「奥出雲おろち号」が運転されるため、そこそこ賑わっています。
やがて木次方面から下りの「奥出雲おろち号」が到着。園児の団体も乗っていて、山間の無人駅が一気に活気づきます。約20分後には、上りの「奥出雲おろち号」として木次方面へ折り返します。それまでの束の間の賑わい。
なかなか指定券が取れない「奥出雲おろち号」ですが、今日はかなりの空きがあり、やっと乗ることができました。窓のないトロッコ車両は遊び心満載で、木のイスというのも風情があります。自然の風を思い切り浴びながら、最高に心地良いひと時が過ぎ行きます。
トイレと悪天候を考慮して、普通の座席車も1両繋いでいます。今や懐かしの12系で、こっちの車両も捨てがたいですね。
三井野原を過ぎると見えてくる、「おろちループ」へと続く国道314号線の三井野大橋。いよいよ絶景区間の始まりです。
ガラス越しから見る景色とは、一味も二味も違います。
そして車窓左手には国道314号線の巨大な「おろちループ」が。
そのままスイッチバックへと挑みます。いやぁ、窓がないってサイコー!
下の方に出雲坂根の駅が見えて来ました。これからスイッチバックであそこまで下りて行きます。
これから行くスイッチバックの線路が見えてきました。何だかワクワクしてしまいます。
機関車のない後方に人が集まってきて、いよいよスイッチバック開始です。
風を受けながらのスイッチバック体験というのもなかなか新鮮ですね。
出雲坂根に着きました。ここで折り返し作業及び対向列車との行き違いのため、数分間の停車。
駅構内には即席の売店もあり、なかなかの賑わい。「新・鉄子の旅」で訪れた時のことを懐かしく思い出します。
そのうちに交換となる下りの定期列車が到着。間もなく発車時刻となりますが、できればもう少し停車時間がほしいところ。
引き続きトロッコ列車の旅は続きます。山を駆け下りたばかりのなだらなか風景もまたいいものです。
亀嵩で「おろち号」を乗り捨てます。こっちへ来たからには、やはりここは立ち寄らねば。
ということで、駅舎をソバ屋として改装した「扇屋」で、少し遅めの昼食をとることに。
選んだメニューは「山かけそば定食」980円。ボリュームたっぷりで超激ウマ!これだけでもここに来た甲斐はありました。
「新・鉄子の旅」の取材で訪れたのは2年前。店主さんはボクのことを覚えていてくれました。懐かしいナ。
もう一度スイッチバックをしっかり味わいたく思い、下りの備後落合行にて亀嵩を去ります。機会があればこれからもちょくちょく立ち寄りたいですね。
再び出雲坂根です。売店はもう引き上げてしまっていて、無人の構内はひどく寂しげです。
今度は車内からスイッチバックをカブリツキで堪能。複雑な動きは見ていて全く飽きません。
「おろちループ」と三井野大橋ももう一度しっかり堪能。今度はガラス越しでの眺望ですが。
備後落合に戻って来ました。さっきとは打って変わってシーンと静まり返っています。構内に居るのは、一緒に木次線に乗って来たテツと思しき人がほんの数名のみ。無人駅ということもあり、他に一切の人影を見ません。
もう一度備後落合へ折り返す関係で一駅降りられるので、備後西城にしてみました。ここを訪れるのも、JRの全駅下車以来だから、もうかれこれ17年振りでしょうか。
風格のある木造駅舎が建っていますが、ここも随分と寂しくなりました。
それでも駅舎はヘアサロンに改装されていて、また昼間は委託で出札窓口も開いているようなので、完全に無人化された他の駅よりは、駅が生き生きとしている気がします。
折り返してまたまた備後落合に戻る頃にはすっかり陽も暮れて。
ホームには先ほど乗ってきた単行キハが、折り返しの三次行として待機中。しかしこの列車に接続する便はなく、乗客は皆無です。
その三次行が出てしまうと、ここは全くの無人となり、駅の規模が大きいだけに、究極の寂しさに襲われます。以前はもっと接続がよかったはずですが、今は最終で新見方面へ出ようとすると、ここで長時間待つしかありません。
静寂の中で待つことしばし。ようやく新見方面からここで折り返しとなる列車がやって来ました。たった一人でポツンと待つ間の何と長かったことか。
その後は備中神代で伯備線に乗り換え、岡山へ。もう11時を過ぎているというのにびっくりするくらいの人混み。でも何だかちょっぴり安心したりして。
さて、2冊目の「秋の乗り放題パス」も期限はあと一日。l明日は山陽道と東海道を一日かけてのんびり帰ります。まだ旅は終わっていないけれど、今回もとっても充実した最高に楽しい旅となりました。いやあ、ホント、旅はやめられないですね。
潮 7:58 → 9:20 三次 10:47 → 12:06 備後落合 12:44 → 14:10 亀嵩 15:41 → 17:02 備後落合 17:11 → 17:32 備後西城 18:28 → 18:46 備後落合 20:19 → 21:33 備中神代 21:34 → 23:09 岡山