道内三日目は知床斜里からのスタートです。
今日は知床斜里を8時34分に出る網走行の列車から行動開始。このくらいの時間だと、朝もゆっくりできていいですね。
車窓右手にはさっそくオホーツクの海が。今やオホーツク海が望める路線はごく僅かとなってしまったから、その意味でここはとても貴重な眺めです。
そのオホーツク海が最も近づく北浜で下車。昔懐かしい木造駅舎が旅情を誘い、とても絵になる風景です。
待合室には、訪れた旅人によって貼られた切符やら名刺やらがベタベタと。
駅横にある展望台からの眺めです。今は青く澄んだ海も、冬にはビッシリと流氷で埋め尽くされ、景観が一変します。
できれば駅舎を改装した喫茶「停車場」にも入りたかったのですが、さすがにまだ開店前でした。
駅裏の浜では釣り人の姿が多数。
折り返しとなる列車がやって来たので北浜を後にします。
右に原生花園、左に濤沸湖が広がる雄大な眺めを、しばし逆カブリツキで堪能。
止別に到着。ここは楽しみにしていた駅で、いそいそと下車。木造駅舎がいい感じで建っています。
狙いは駅舎を改装したラーメン店「えきばしゃ」。「新・鉄子」でも「極旅」でも訪れましたが、ここのラーメンがまた激ウマで、これはどうしても食べたかったわけでありまして。で、11時の開店を待ってさっそく注文。やはり期待を裏切らない味でして、これだけでも北海道まで来た甲斐はありました。
網走方面へ行く列車に乗って止別を去ります。本数がとても少ないので行き来に苦労しますが、そこをうまく組み合わせてスケジュールを立てるのもまた楽しいものです。
貴重なオホーツクの海を逆カブリツキで堪能。
網走に着きました。すかさず石北本線に乗り換えます。嬉しいことに40系の2両編成。
発車すると、さっそく右手に網走湖。
その後はまた北海道らしいだだっ広い大地が続きます。窓を全開にして大地の風を思い切り浴びてみます。ホントもう最高!
途中の金華で行き違いのため数分間の停車。昔ながらの木造駅舎がそのまま残っている貴重な駅で、個人的には宗谷本線の抜海や雄信内に並ぶ価値を秘めていると思っています。その割には知名度は高くなく、本当に忘れ去られたようにひっそりと佇んでいます。
金華を発車してしばらくすると現れる常紋信号場。スイッチバックの列車交換施設ですが、今は使われていないようです。
エンジン音を唸らせて、常紋峠越えに挑みます。SL時代には難所だった常紋峠も、軽快ディーゼルカーなら何のその。
遠軽に着きました。乗り換えとなる列車までは1時間以上あり、しばし休憩。名寄本線が分岐していた頃はとても活気のある駅でしたが、今は随分と寂しくなりました。
名寄本線が発着していた0番ホームの名残が未だに生々しく。あれからもう23年もの歳月が経つのですね。
時は変われど、威風堂々とした木造の遠軽駅舎は、今も変わらぬ当時の面影をそのまま伝えています。
遠軽を16時12分に出る旭川行は、北見峠を越えて行く貴重な鈍行。何しろ峠を越えて上川方面へ抜けられる列車は、特急を除くと午前と午後の2回しかなく、まさに「18」泣かせの区間として知られています。車両は先ほど網走から着いた列車がそのまま旭川行となるようです。よってここでも40系の2両編成。
この辺りは停まる列車が極端に少ない駅が多く、全駅下車をする際、最も苦労したエリアだったため、特に強く印象に残っています。20年近く前、確かこの列車は下校の高校生で満員になったはずですが、今日は平日なのにそれらしき生徒はほとんど見かけられず。たまたま今日は休校日だったのでしょうか。それとも…
続いて、旧白滝。ここも乗り降りはゼロ。ボクが全駅下車を敢行した当時、2人の高校生がこの駅を利用しているのを確認しましたが、今はもう誰も利用しないのでしょうか。
列車はがら空きの状態で北の大地を淡々と進んで行きます。全開にした窓から受ける自然の風はとても心地よく、でも何だか寂し過ぎる気がしてなりません。
白滝です。ここは特急も停まる主要な駅ですが、無人化されて久しく、この列車からも数人が降りただけでした。
さらに進んで、上白滝。ここは停まる列車が一日に上下1本ずつしかない究極の下車困難駅として知られています。それでも一人だけ定期利用者がいるため、当分は廃止になることはないでしょう。そして今日もその利用者であるお爺さんが降りて行きました。
この先、まだ奥白滝というこれまた究極の下車困難駅があったのですが、こちらは利用者が完全にゼロになり、2001年に廃止となっています。そして峠を越えて、中越、天幕の両駅も、同時に廃止となりました。
峠を越えて上川に着く頃にはすっかり陽も暮れて。でもここから帰宅の高校生が大勢乗り込んで、一気に賑わしくなりました。少々うるさく感じるものの、何だかちょっと安心したりして。
旭川に到着です。道東をぐるっと一周してきた形ですかね。夜も更けて来たのでそろそろ休みたいところですが、今日はもう少し移動します。乗り換えた岩見沢行は、赤いボディが鮮やかな、懐かしの国鉄仕様の711系。未だ現役で活躍するその健気な走りっぷりに思わず感動。
車端の一部はロングシート化されているものの、窓枠のテーブルやズラリと並ぶボックスシートに、かつて急行「かむい」として第一線で活躍していた頃の栄華をひしひしと感じます。ボックスに足を投げ出して、昔を懐かしみながら夜の走行を楽しんでみます。これもまたたまらないひと時ですね。
岩見沢で乗り換え、札幌到着。だいぶ遅くなりましたが、今日も一日無事終わりました。
知床斜里 8:34 → 9:02 北浜 10:15 → 10:30 止別 11:36 → 12:05 網走 12:10 → 14:53 遠軽 16:12 → 20:05 旭川 20:46 → 22:24 岩見沢 22:32 → 23:14 札幌
★★★--- お知らせ ---★★★
9月28日(金)午後7時30分~午後8時43分(関東・長野・山梨)
NHK総合テレビ 『達人おすすめ ネオ鉄道旅へ出発進行!』 にナマ出演します。
http://www.nhk.or.jp/shutoken/special/
先日のVTRと併せてお楽しみください。