とうとうこの日がやって来てしまいました。
普段はがら空きの一番列車も、さすがに今日は結構な乗車率です。熱心に車窓風景に見入っている人が多いことから、大多数は地元住民でないことが察せられます。
何となく途中の小駅で降りてみたりしましたが、今日は雨になるとの予報なので、気ままに乗り降り、というわけにはいかなくなるかもしれません。
しばらくするうちに、とうとう雨が降ってきてしまいました。これからどんどん雨足が強まるとのことなので、今日は「乗り」中心に動くことになりそうです。
今日は臨時列車が何本か走るので、それに狙いをつけて、始発となる須坂へ。やはりここは普段通りです。
臨時列車の一本目となる須坂を8時50分に出る松代行は、特急車両の「ゆけむり」を使った豪華編成。通常は屋代線に乗り入れない車両とあって、テツの皆様は興奮気味?
広い窓にゆったりシートの「ゆけむり」号から眺める車窓はまた格別だったりします。
終点の松代に到着。普段はやって来ない豪華列車の到来に、にわかに色めき立つ構内。
そして今日はさらに一段と多くの人が押し寄せ、ゴッタ返す松代駅のホーム。
大雨にも関わらず、窓口は切符を買い求める人で長蛇の列となっています。
電車はかなり混雑していますが、通常より1両多い3両で運転されているため、車内は比較的余裕があります。でもこれだけの人が乗っている屋代線は初めてかも。
終点の屋代では、全員が一旦降りるため、ホームは一時的に大混雑となります。でもこんな活気溢れる光景が展開されるのも今日限り。
綿内に行ってみると、降りしきる豪雨の中、盛大にイベントが開催中。でも雨が強過ぎて盛り上がりは今ひとつといったところ。駅以外に雨宿りする場所がほとんどなく、あまり動き回れないのが惜しまれます。
駅前では地元小学生による運転士への花束贈呈が行なわれたり、
演歌歌手による屋代線の歌が披露されるなど、様々な催しが行なわれました。
報道陣の姿も多数見かけます。
車内は一段と混んできましたが、それでも積み残しが出るほどではありません。
もう一つ、イベントが行なわれたはずの信濃川田にも行ってみましたが、大雨のため早々と退散してしまったみたいで、僅かに駅舎内にて記念グッズが売られている程度でした。
屋代に戻って来ると、しなの鉄道側でも様々な記念グッズの販売が行なわれていました。
午後になると雨も上がり、再び松代へ行ってみると、相変わらず多くの人で賑わっています。依然として窓口には駅舎の外まで長蛇の列ができていますが、あの大雨の中、ずっと並んでいたのでしょうか。ご苦労様です。
電車が来れば、たちまちにしてカメラの放列に。でもこん光景も今日限り。
日が暮れる頃に東屋代を訪れてみると、民家と一体化した駅舎の出札窓口には、昨日同様家主さんがやって来ていて、現役当時のやり取りを再現してくれました。そんな思い出の詰まった駅も、あと数時間で役割を終えます。
最後のもう一度、綿内にも行ってみました。こんな時間になっても、まだ訪れる人が絶えません。せめて駅舎だけでも壊さずにこのまま残しておいてもらいたいものです。

その後は最終列車に乗るため、少し早めに屋代へ移動。最終列車の時間が近づくにつれて、お別れ乗車をする人の数がどんどん増えて行きます。かつてないほどの混雑になりましたが、それでも積み残しが出るほどではなく、まだ比較的余裕があります。改めて大量輸送が可能な鉄道の偉大さを思い知らされた気がします。
列車はこの後まだ松代折り返しとなる須坂行があるため、途中の松代で降りて、その最終となる列車を待ちます。もう夜の10時を回っているというのに、構内も駅前も物凄い人出となっています。
やがて定期列車では最後の発車となる須坂行が到着し、ホームは埋め尽くされた人波で身動きもできないほどに。そんな中、花束の贈呈や関係者による挨拶等、一連のセレモニーが行なわれて行きます。この時点で列車は大幅に遅れていますが、気にする人はほとんどいないようです。
そしてついに最終列車は松代を30分くらい遅れて発車。一時は大混雑に面食らったものの、通常の倍の4両編成で運転されたことで、発車してみれば、車内は結構余裕がありました。
今日はまだこの後、貸切の臨時列車による運転がありますが、定期運用ではこれが最後の列車。途中の駅でも盛大な見送りが行なわれました。
大幅に遅れたものの、最終列車は無事終点の須坂に到着。長かった一日が終わりました。さようなら、屋代線。90年もの長きに亘るご活躍、本当にお疲れ様でした。素晴らしい思い出をありがとう。















































