今日は「18きっぷ」の4日目を使います。
早朝の和歌山から乗った和歌山線の電車は、かつて新快速で活躍した117系。懐かしさも手伝って、いきなりテンションが上がります。
和歌山線を一時間半余り揺られ、北宇智で降りてみます。スイッチバックが解消されてからは初めての訪問となります。
新しい駅は、少し移動して踏切の近くに設けられていました。
昔の駅舎もまだそのまま残っていますが、出入口は板で塞がれ、中には入れなくなっていいます。いずれは取り壊されてしまうのでしょう。
フェンス越しに中を覗くと、昔のホームもまだそのまま残っているのがわかります。次第に廃れて行く光景に、胸がチクンと痛みます。
王寺方面から電車がやって来ました。かつては右側の引き込み線に一旦バックした後、再び方向を変えてこっちへ向かってきたのですが、今はそのままダイレクトに進んできます。
新しいホームの先端からは、旧ホームがよく見えます。ただ、行き来にはかなりの迂回を強いられるため、向こう側からはちょっと不便になったようです。
王寺から関西本線を乗り継ぎ、加茂からは非電化区間に入ります。西日本ならではのキハ120が登場。
木津川の流れがどこまでも付いてきて、なかなか見応えのある景色が続きます。
亀山からは紀勢本線に乗り換え。ここからはJR東海の管轄になります。
途中で快速「みえ」に乗り換え、参宮線の終点の鳥羽へ。参宮線に乗ったのも、実に19年振り。
賑わう近鉄側の出入口とは対照的に、JRの駅舎はひっそりとしています。
参宮線をそのまま折り返し、松阪で名松線に乗り換え。昨年の台風の影響により、列車は未だ途中の家城までしか行きません。
折り返しとなる家城では、下校の高校生集団が大勢列車を待っていました。この状況からして、少なくとも松阪-家城間は鉄道が必要でしょう。
家城から終点の伊勢奥津までは代行バスで30分余り。途中で乗り降りする人もほとんどなく、これを見た限りでは、バスでも十分対処できる気がしてしまいます。
伊勢奥津の駅舎は特に変わった様子は見られず、待合室もこれまで通り開放されています。しばらく待っていれば、列車がやって来そうな感じです。
けれども夏草に覆われ赤く錆び付いた線路は廃線跡そのものです。この光景はとても切なく、早期の回復が望まれます。
家城に戻って来ました。ここはいい感じの駅舎が残っています。こんな機会でもなければこうしてやって来ることなどなかったかもしれません。
家城からは再び列車に乗り込みます。日暮れが近いというのに、まだ大勢の高校生でぎっしり満員になりました。
本線に戻り都会の灯りが見えると何だかホッとします。「18きっぷ」の残りはあと一日。もう明日はのんびり帰路に着くだけです。