昨夜はさらに山陰線と伯備線を乗り継いで再び新見へ。夜遅くの到着&早朝出発となり、今日はちょっとハードです。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-1 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-2

一度乗ってみたかった芸備線新見発備後落合行の一番列車。東城までは途中の矢神を除いて通過となり、その矢神も交換のために停まるようなものだから、実質上の回送列車みたいなもの。外はまだ真っ暗で他に乗客の姿はなく、贅沢空間を独り占め。早起きした甲斐がありました。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-3 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-4

東城を過ぎるとにわかに山中へと分け入り、迫力のある車窓が展開されます。昨日も見た景色だけど、テツだらけの車内から眺めるのとは気分的にもまた違い、心行くまで堪能します。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-5

東城から地元客が一人だけ乗ったけど、後は結局終点の備後落合に着くまで変化ナシ。次の便はもう昨日乗った昼過ぎの「テツ列車」までないから、この区間を定期的に行き来する地元利用者は、もうほとんどいなくなってしまったみたいです。確かにこのダイヤを見れば無理もないことなのかもしれませんが。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-6 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-7

この後、再び木次線へ行く予定だけど、大幅に時間があるので一旦芸備線を三次方面へ抜けます。木次線が右に分岐していくのが見えます。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-8

所々時速15キロ制限のかかる渓谷沿いの道のりをノロノロと走行。線路を維持するための苦労が偲ばれます。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-9

隣の比婆山で降りてみます。もう少し先まで行けたけれど、何となくここの雰囲気に魅せられてしまい、つい。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-10 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-11

道路に面して建っている木造駅舎はボロボロに傷み、もはや利用者はほとんどいない様子。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-12

待合室は虫の死骸が散乱し、落ち着いて列車を待てる環境とは言えません。

かつては駅員もいて多くの人で賑わったのも今は昔。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-13

再び備後落合へと戻って来ました。中途半端な時間帯のせいか、周囲にほとんど人の姿を見かけません。辺りはシーンと静まり返り、鉄道の重要な中継地点として賑わった日々は、すっかり遠い昔になりつつあります。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-14

駅前はとりわけ何もなく、静かな山中といった感じです。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-15

やがて出雲横田方面から木次線の一番列車が到着。しかし降りてきた人は一人もなく、つまりここまで乗ってきた乗客はゼロ。広島方面へ接続していますが、もうほとんど利用されていない様子。次の列車はもう午後までないというのに、これが現実のようです。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-16

折り返し、出雲横田方面への一番列車となる木次線に揺られ、昨日と同じ道のりをコトコト揺られて行きます。乗っているのはテツと思しき旅行者が僅かに2人いるだけで地元利用者は皆無。がら空きのため、車窓左手に現れた雄大な「おろちループ」の景観も、今日は落ち着いて眺めることができます。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-17 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-18

横見浩彦の近況報告!-10.9.3-19 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-20

そして昨日同様、出雲坂根の三段式スイッチバックに挑みます。乗客がほとんどいないので、「かぶりつき」も思いのまま。



横見浩彦の近況報告!-10.9.3-21

出雲三成でトロッコ列車の「奥出雲おろち号」と交換。平日なのにあちらは大盛況で、少しホッとします。九州の肥薩線同様、観光路線としての発展に期待がかかります。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-22 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-23

「お気に入り」の駅の再訪も楽しみで、日登もそんな駅の一つ。この辺りの駅を回ったのは、全駅下車を目指していた90年代半ばのことだから、もうかれこれ15年振り。ローカル駅に独りフラリと降り立つ瞬間はたまりません。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-24

これまでにあちこちで古い駅舎の取り壊しが進んだけれど、昨日の亀嵩同様、ここは当時と特に変わった様子は見られず、懐かしの木造駅舎は健在。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-25 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-25.2

窓枠もチッキの台も、全て純然たる木造。まるで映画のセットのような造りなのに、未だに現役として活躍している事実はまさに驚嘆に値するほど。委託駅として管理されているため、隅々にまで手入れが行き届き、最高に居心地のいい駅となっております。実に感激!




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-26 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-27

折り返しは備後落合まで行く貴重な列車で、まだ「18シーズン」ということもあり、テツの皆様が大勢乗り合わせていました。

途中出雲坂根にて、備後落合から折り返して来た「奥出雲おろち号」と交換。今度はほどよく空いていて、帰って来る便の方は狙い目のようです。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-28 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-29

そしてまたまた「おろちループ」を堪能。これだけ何度も通ると、この景色もすっかり頭の中にインプットされます。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-30 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-31

今度は三井野原で下車。少ない列車を組み合わせ、あちこちの駅で乗り降りしていると、夢中になって駅を追いかけていたあの頃が懐かしく思い出されます。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-32

駅舎はコンパクトな造りで、色は塗り替えられていますが、ここもあの頃と変わっていません。すぐ前はスキー場で、周囲には民宿が点在し、ちょっとしたリゾート地のような様相です。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-33

折り返しの列車まで一時間あるので、散策を兼ねてここまで行ってみることにします。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-34

国道314号をしばらく歩き、トンネルを抜けて「おろちループ」へと続く赤い橋の上まで来ると、列車から眺めたループ橋がバッチリ一望できます。その見事なまでの眺めは、まさに息を呑むほどで、昨今の道路建設の技術の進歩には驚かされる想いです。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-35

線路は国道よりずっと上の、山の頂近くに敷かれているのがわかります(写真右上)。国道よりもはるかに大回りの、なおかつ行きつ戻りつのスイッチバックを繰り返しながらの走行では、所要時間において明らかに不利と言えるでしょう。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-36

「道の駅」までは確かに10分くらいで着きました。クソ暑く何もない駅で休むよりも、こっちの方が快適かもしれません。

なお国道には歩道も完備されているので、この先出雲坂根の駅までも楽に歩いて行けそうです。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-37

時間になったので駅に戻り、列車の到着を待ちます。今度乗るのは昨日も乗った「テツ列車」。やはり車内は昨日同様、今日もテツの皆様(のみ)で賑わっておりました。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-38

そしてもはやすっかり頭の中にインプットされたスイッチバックをまたまた通り過ぎ…チト飽きてきたかも。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-39

そして方向転換のため、しばし停車する出雲坂根。これもいったい何度目になるだろうか。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-40

午後の「テツ列車」を乗り捨て、八川で降ります。ここもどうしても再訪したかった駅の一つ。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-41

駅舎は昔ながらの原型を留め、手入れも行き届いています。でもキレイ過ぎて何となく観光的な要素を意識しているような気も。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-42 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-43
ご覧のようにあまりに完璧過ぎるというか。まるで博物館にでも来ているような気になります。現役の駅舎というのがオドロキです。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-44

まさに映画のセットにでも使われそうな雰囲気ですね。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-45

折り返しは備後落合方面への最終となります。終点からは三次・広島方面へ接続していますが、乗客は「18きっぷ」を所持していると思われる人物が数名のみ。山陽と山陰を結ぶかつてのメインルートも、今やこれが現実なのでしょう。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-46

またまた出雲坂根です。でも今度はここで下車します。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-47 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-48

構内から列車がスイッチバックしていく様子を見送ります。なかなか感動的な一コマです。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-49

しばらくすると、先ほど出て行った列車が、はるか山の上の方へと登って行くのを木々の間から見ることができます(写真右上)。僅かな距離でかなりの高度を稼いでいるのがわかります。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-50 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-51

駅舎は今年の春に立て替えられたとのこと。見た目はイイ感じですが、以前に比べ待合室が狭くなり、残念ながらあまり居心地がいいとは言えません。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-52 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-53

ホームはアスファルトで整備されてしまい、名物だった「延命水」の湧き水はなくなってしまいました。何とも残念!




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-54 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-55

構内にはかつて「延命水」が湧き出ていた「蛇口」が飾られているだけで、今はもうここから水は出ません。昨年の秋に訪れた時 は、まだまだ現役バリバリだっただけに、せめてここだけはそのまま残しておいてほしかったという想いでいっぱいです。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-56 横見浩彦の近況報告!-10.9.3-57

現在の「延命水」は、道路を隔てた崖下から出ています。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-58

そしてこれが「延命水」の水汲み場です。味や成分等は以前と変わっていないと思われますが、やっぱりホームから湧いていたというのが大きなウリだったと思われ、これではよくある「駅近くで湧き出ている名水」と変わらず、風情が感じられなくなってしまったのが惜しまれます。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-59

そうこうしているうち、スイッチバックを下って備後落合方面から列車がやって来ました。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-60

外はまだ明るいですが、これがこの駅に発着する最終列車となります。




横見浩彦の近況報告!-10.9.3-61
乗客はものの見事に一人もなく。贅沢な車窓を独り占めできるのはいいのですが、こんな光景ばかり続くのもどうかと。でもこれが現在の木次線の姿なのでしょう。もっとも、この先出雲横田からはまとまった乗り降りがありましたが。