思い出を振り返って

フリー切符を活用し、もう一日遊んで行こうかと。ド平日にのんびり旅ができる喜びを噛み締めて。

早起きしてまずは氷見線を一往復してみることに。ここはまだ旧国鉄形の４０系が主流で、ズラリと並ぶボックスシートは旅情たっぷりです。

この、一気に富山湾に踊り出るようなシーンがたまらず、何度乗っても感動します。「海の三大車窓」の一つに挙げたいくらいです。

その後は富山に出て、高山本線で猪谷へ。前回はここからさらに高山方面へ抜けたけど、今日はここで降ります。

３年半前に廃止となった神岡鉄道の様子が見たく、バスで神岡へ向かいます。バス停は駅から少し下った国道４１号線上にあり、朝、昼、夕の計３本だけある町内循環バスはナント一乗車１００円という安さ。つまり神岡まで乗ってもたったの１００円で済んでしまうのです。

バスは高原川の流れを見ながら旧神岡鉄道に沿った形で進みます。乗客は地元の老人が数名乗っているだけで、よそ者の自分がひどく場違いな気がしてしまいます。

神岡の町内も回った後、やがて旧神岡鉄道の終着駅である旧奥飛騨温泉口に到着。列車でも580円かかったのに、ここでは降りる際に運賃箱に100円玉をチャリンと１コ入れただけでした。

旧奥飛騨温泉口の駅です。あの頃と特に変わった様子は見られません。

駅名板は外されているものの、ホームも線路もそのまま残っています。しばらく待っていれば、列車が入って来るような錯覚に陥ってしまいます。

旧神岡鉄道の線路を活用して、不定期ながら自転車やバイクで軌道を走るイベントが開催されているようです。機会があれば、これは是非とも参加してみたいものですね。

「レールバイク」はこんな感じで軌道に下りるみたいです。何だかワクワクしてしまいます。の…乗ってみたい！

駅舎を改装した喫茶「あすなろ」は、今も変わらず営業中。

http://www.yokotetu.net/tabi/16/11284.html

ということで、昼食を兼ねてコーヒーブレイク。のんびり癒される空間です。

沿線を少し歩いてみます。レールは今もそのまま残り、先ほどの「レールバイク」が走行します。

旧神岡大橋の駅です。こちらも駅名板が外された他は、全く変わった様子が見られません。

旧飛騨神岡の駅です。ホームには行かれなくなっているようですが、ここは現役時代から駅舎に美容院が併設されていて、今もそのまま営業を続けています。町の中心部へは、この駅が一番近かったですね。

駅前にある湧き水は今も変わらず湧き出しています。でもここでノドをうるおす旅人は、もうほとんどいないでしょう。

さらに歩いて旧神岡鉱山前の駅です。入口はシャッターが下りていて、中へは入れませんが、ここも全く変わっていないようです。

とても寂しい所ですが、「レールバイク」はここまで走れるらしく、イベント開催時には結構な賑わいを見せるのでしょう。

なお、奥飛騨温泉口の駅からここまで、歩いても一時間もあれば十分散策を楽しめます。

神岡町の中心部です。列車からではよくわからなかったけれど、結構大きな町です。列車が来なくなっても、さほど影響はなかったような気がします。

古い家並みが続く町の散策も楽しいものです。あちこちで湧き水を目にし、隠れた「名水」も多く存在するのでは。

夕方の「100円バス」で神岡を離れ、猪谷へと向かいます。バスは高原川と旧神岡鉄道の線路に沿って走ります。

バスは旧漆山の駅横も通過。バスの中から見た限りでは、こちらもそのまま残っているみたいです。

猪谷からは特急で富山へ戻ります。いずれまた、今度は是非とも「レールバイク」を体験しにまた神岡へ来てみたいですね。

その後はまた「はくたか」＋上越新幹線経由で一気に帰路へ。ポカをしでかしたことで余計な出費にはなったけれど、それ以上の価値はあったかも。もっともっと旅がしたくなってしまい…　困った。