数日後に消え去る「ピーチライナー」に乗ってきました。
静かな終着駅
名鉄小牧線の小牧駅から、小牧市の東部に開けた桃花台ニュータウンを結ぶ足として、桃花台新交通(ピーチライナー)が開業したのは平成3年3月17日とまだ新しく、ボクの感覚では、ついこの前、といった気がしてならない。中京圏においては初となる新交通システムの開業に、これからどんどん発展していくと思っていたが、まさかたったの15年余りで廃止に追い込まれるとは夢にも思わなかった。
開業自体が新しく、また馴染みの薄い新交通システムということから、特に思い入れはないけれど、もう二度と乗れなくなると思うと、やっぱりもう一度ちゃんと見ておきたくなり、新幹線を飛ばして名古屋へとやって来る。廃止間際だというのに、テツの姿もほとんど見当たらず、あと数日で廃止になるとは思えない静かさだ。近代的な立派な造りのため風情は感じられないものの、これだけの設備が間もなく無用の長物となることを思うと、何とも勿体なく思えて仕方がない。とりあえず終点まで乗ってみたが、新興住宅地が広がる沿線は、まだまだ開発の余地が多々あると思われ、通常の赤字ローカル線とは明らかに様子が異なる。
ループ線にて折り返し
終点に着くと、列車はそのままループ線を描いて上りホームへと入ってくる。つまり進行方向は変わらないため、シートは常に前向き、そして扉も右側にしかない。小回りの効く新交通システムの特徴が顕れている構造といえ、他ではあまり見られない折り返しのシーンは、なかなか興味深いところではある。
しかし他には特に見所といった場所もなく、もう一往復してみたものの、さほど旅情は沸かず、もう引き上げることにする。最終日はそれなりに混雑するとは思うが、このまま短い生涯を終えると思うと、やり切れない想いがしてくる。今回はもう最終日の訪問はしないかもしれない。