昨日は丸一日動き回って疲れ果てたこともあり、今日は遅めのスタート。でもいよいよ最期の日というだけあって、気が張り詰めております。
上野駅8番ホームから発車する489系を使用した「ホームライナー鴻巣3号」。明日から別の車両に替わります。
今日は見送りだけに留めます。なお、ライナー券は早々と売り切れた模様。
「北斗星」が入ってきたのでこれも一応カメラに収めます。今のところはまだ安泰のようですが、やはりいずれはこの列車もなくなってしまうのでしょうか。
エキナカの喫茶店でしばし休憩した後、「ホームライナー古賀3号」に狙いを定め、8番ホームへやって来ました。今日は大宮まで乗ってみることにします。この車両もいよいよ見納めとなります。
車内を歩いていると、南田さんと野月さんを発見。こういう所でテツの有名人がプライベートでテツ活動をしているのを目撃すると、何だか嬉しくなります。
でも今日は独りで感傷に浸っていたいので、軽く挨拶する程度に留めておきます。素っ気なくてすみません。
30分足らずの大宮までの時間を、今日はラウンジで過ごしてみます。「鉄子の旅」取材で利用した「能登」の思い出が懐かしくよみがえってきます。
予定通り大宮で下車。なお、南田・野月両名は、久喜まで乗って折り返してくるそうです。先日ボクも同じ行程をたどりました。
上野に戻って来ると、「北陸」が発車する13番ホームは、すでに物凄い人出となっていて、予想していたとはいえ、この凄さには圧倒されてしまいます。まだ列車は入線していないというのに、昨日までとはケタが違い、いよいよ最期の時が訪れたことを嫌でも思い知らされてしまいます。
「北陸」号が入線して来ました。ホームの先端は、もはや全く身動きもできないほどの混雑となっています。このホームがこれほど湧きに湧いたのは、開業以来初めてのことではないでしょうか。
ホームは別れを惜しむ人達で溢れ返っています。いっそこのまま時が止まってくれれば、との願いも虚しく、刻一刻と別れの時は迫ってきます。不意に目頭が熱くなり、不覚にも涙が溢れてきてしまいました。
そしてとうとう発車時刻を迎えることとなり、最後は大歓声の下、寝台特急「北陸」は金沢へと旅立って行きました。もう二度と出発することのないホームを後にして。
「北陸」出発の興奮も醒めやらぬうち、続いて急行「能登」が同じく13番線に入線。ざわめきと共に再び大勢の人が列車に群がります。
大混雑とはなっていますが、厳重な警備体制が功を奏してか、特に目立ったトラブルもなく、無事に出発を迎えられそうです。
そして静かにドアは閉まり、急行「能登」は上野駅を後にします。自由席がたくさん付いている列車なので、私も大宮まで乗ってみることにしました。
右手に京浜東北線と併走しながら25分程で大宮に到着。ここでも大勢の人が見送ります。恐らくこんな光景が停車駅ごとに繰り返されていくのでしょう。
停車時間は僅かしかなく、すぐにドアは閉まります。今度こそ本当のお別れです。
深夜0時1分、美しいボンネットスタイルの489系「能登」は、金沢を目指して大宮駅を発車。
さようなら、そしてありがとう。長い間、本当にお疲れ様でした。今はただ、終点の金沢まで無事に走り続けてくれることを祈って。