今月末限りで北陸鉄道石川線の末端区間(鶴来-加賀一の宮)が廃止となるため、今のうちにじっくり味わっておこうと、「北陸フリーきっぷ」を使って旅に出ることにしました。
「北陸フリーきっぷ」は寝台特急「北陸」のソロを含むB寝台にも乗れるため、金沢まではB個室のソロを利用。
夜行利用者の低迷がささやかれる中、格安の切符で乗れるソロの人気は高く、ド平日だというのに、この日も数日前の段階で残席は僅かに1席のみ。
「銀河」や「はやぶさ」なども、こういった取り組みがなされていたら、かなりの人気列車になっていたと思われるのですが。
石川線は隣の西金沢での接続となるため、北陸本線で一駅移動。車両は元国鉄急行形の475系。
北陸地区にはまだこういった昔懐かしい車両が現役で活躍しているのが嬉しいですね。
ズラリと並んだボックスシートが旅心をくすぐります。今回は一駅分しか乗れないのが惜しいです。
JRの西金沢駅に隣接する形で北陸鉄道石川線の新西金沢駅があります。かつては両社間で線路が繋がっていましたが、今は完全に分かれています。
終点の加賀一の宮まで行ってみます。地元利用者はほとんど見かけず、来ているのはテツばかりです(笑)
でも平日ということで、その数は少なめです。
加賀一の宮の駅舎です。白山比咩神社を模した威風堂々としたその造りは、まさに「名駅」と呼ぶのに相応しく、初めて訪れた時は、それはそれは深い感動に包まれたものでした。
白山神社の総本社でもある白山比咩神社は駅からすぐの所にあり、せっかくなので、ちょっと立ち寄ってみたりしてみます。神社へと続く参道はとても風情があり、デート向きかもしれません。
数ヶ月前に「新・鉄子の旅」で訪れたことを、とても懐かしく思い出します。
麓には茶屋があり、軽い食事もできます。漫画では触れていませんが、「新・鉄子の旅」ではここにも立ち寄っています。畳敷きの座敷はくつろぐのに最適です。
廃止となる区間内にある中鶴来の駅です。駅舎のない簡素な造りですが、なくなると思うと特別な眼で見てしまいます。隣の鶴来駅までは歩いても10分足らずの距離しかなく、町の散策には適しています。
鶴来の駅です。駅員常駐の大きな駅で、立派な駅舎が構えます。末端区間廃止後は、ここが終着駅となります。
待合室には懐かしのアイテムが多数展示されております。
各列車にはキュートなアテンダントが乗務。それだけで車内が和み、北陸鉄道のイメージアップにも繋がる気がします。
1000円で乗り放題となるフリー乗車券があるので、行ったり来たりを繰り返してみます。でも廃止となる区間は僅か2.1キロと短く、すぐに着いてしまい、何度も行き来すると、さすがに飽きてきます。
早朝はテツが数人居るだけでしたが、時間が経つにつれ、一般の客も多くなり、こういった人の流れを観察するのもなかなか面白いものです。
かつてはこの先、金名線が白山前まで伸びていました。当時はかなりの賑わいだったのでしょう。
性懲りも無く、また加賀一の宮までやって来たりして。
いい加減もう飽きてきましたが、悔いを残さないためにも、飽きるくらいの方がいいのです。
でもさすがにもううんざりしてきたので、ちょっと他へも行ってみようかと、氷見線を訪れてみることにしました。
「北陸フリー」の範囲内なので余計な出費はかからず、乗り換えとなる高岡までも、特急乗車OKなので、少しばかりトクした気分になります。
越中国分を過ぎると、一気に海に躍り出るような感じで海岸線スレスレを走ります。この絶景は、何度見ても圧倒されてしまいます。
雨晴で降りてみました。シブイ駅舎が残っていてイイ感じです。
駅の裏手には雨晴海岸が広がっていて、実に素晴らしい眺めです。
以前「鉄子の旅」で豊岡真澄ちゃんとここを散歩したのを懐かしく思い出します。改めてデートにはイチオシな所だと思ってしまいました。
夜の雰囲気も味わいたくなり、日が暮れてからまた加賀一の宮を訪れてみました。
シーンと静まり返った構内に、ひっそりと電車が佇む光景がまたたまりません。
今日で充分堪能したけれど、引き続き明日もじっくり味わうつもりです。残された時間はもう僅かなのですから。