「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」の旅、二日目です。ホテルにて朝風呂にゆっくり漬かり、やや遅めの出発です。



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今日は木次線を攻めますが、その前に立ち寄る所があり、米子駅0番ホームから発車する境線に乗り込みます。

「妖怪路線」の異名を持つ境線は、漫画家水木しげるにちなんでデザインされたユニークな列車が走る路線として知られ、妖怪のキャラクターがあちこちに。なかなか面白い取り組みですね。




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向かった先は、昨年の6月15日に開業した米子空港駅。

でもこれを「新駅」と見なすかどうかは見解が分かれそうです。というのも、空港の拡張工事に伴う線路付け替えにより、それまでの大篠津駅を移転した上で駅名を改称したというのが経緯だからです。

しかし同じ駅名ならともかく、かつての大篠津駅は800メートルも離れた所にあり、やはりこれは「新駅」として捉えた方が自然な感じがするので、新たな下車駅としてカウントすることにしました。


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ちなみにこれはかつての大篠津駅です。朽ち果てるのを待っているかのようなオンボロ木造駅舎が印象的でした。今となっては貴重な写真です。




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米子まで引き返した後は、木次線に乗るため、さらに山陰本線を下ります。松江を過ぎるあたりから、車窓右手に宍道湖が広がり、それはそれは見事な眺めです。




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そして宍道からは、いよいよ木次線に足を踏み入れます。久々となる訪問に、わくわくしてしまいます。




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山あり谷あり田園あり、そして極めて不便なダイヤが組まれた木次線は、まさにローカル線の西の横綱と呼ぶに相応しく、これほど魅力的な路線はそうそうあるものではありません。久々とも言える真のローカル線探訪に、終始興奮のしっ放し。これぞ鉄道旅行の醍醐味です。これはたまりません。




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途中の出雲横田で後ろ1両切り離しのため11分間の停車。自動閉塞化と共に、今はもうJR社員は駅から引き上げてしまいましたが、委託駅として今でも窓口では切符の販売が行なわれ、完全な無人化は免れています。やっぱり駅には人が居てほしいですね。




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スイッチバックと「延命水」で知られる出雲坂根に到着。ここも自動閉塞化に伴い無人駅となってしまいましたが、ホームには即席の売店ができたりして、それなりに賑わっています。スイッチバックのため列車はここで数分停車。トロッコ列車の「奥出雲おろち号」とも交換し、ホーム脇に湧き出ている名水「延命水」でノドをうるおす人も多く見かけます。



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そしていよいよ木次線のハイライト、三段式スイッチバックに挑みます。前面展望バッチリのキハ120なら、その様子をつぶさに観察できます。急坂をあえぎあえぎ登って行く様は、テツでなくても感動と興奮に包まれてしまうでしょう。



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やがて車窓右手には、「おろちループ」と名づけられた国道314号線の巨大なループ橋が現れます。その壮大な景観はまさに息を呑むほどで、乗客全員が固唾を飲んでこの『絶景』を食い入るように見つめます。




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素晴らしい景色に興奮も覚めやらぬまま、やがて終点の備後落合に到着。鉄道の要衝としてかつては多くの駅員が詰めていたこの駅も、今では極僅かのローカル列車が細々と発着するだけの、侘しい無人駅となってしまいました。

ここまで来る木次線の列車も、定期列車は一日僅か3本だけとなってしまい、しかも朝の通勤通学に使える列車の設定はなく、もはや鉄道としての役割は完全に終わったと言わざるを得ません。ここまで乗り通した木次線の乗客も、地元利用者は一人もなく、合計9名の乗客は、全員件の切符を所持した旅行者のみでした。




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備後落合からは芸備線に乗り換え、三次方面へと向かいます。こちらも木次線に劣らない迫力のある景色が続きます。15キロ制限の徐行区間がやたらと多く、今にも止まりそうな速度でゆっくりゆっくり進みます。




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山を下りた後は田畑が広がる平野部をひた走り、三次までやって来ました。ずっと辺境の地ばかりさまよっていたせいか、一気に都会めいた町並みを目にして、何だかホッとしてしまいます。




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三次からは福塩線経由の列車で福山方面へ向かいます。今度も車両はキハ120。




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塩町までは来た道を引き返し、ここから福塩線へと分岐します。ここもかれこれ15年振りくらいの再訪となります。




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再び列車はひと気のない「辺境の地」へと、ゆっくりゆっくり分け入って行きます。途中で小雨がパラついたりしましたが、こういうのも却って風情を感じたりするものです。




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日はとっぷりと暮れて、府中に到着。非電化区間はここまでで、ここから先はバンバン電車が走る都会路線となります。かつての可部線、可部駅を思い起こさせる運行形態です。




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福山に到着しました。これまでずっと寂しい所ばかり回っていたため、あまりの都会振りに戸惑ってしまいます。

この後、さらに岡山まで山陽本線を上りましたが、100キロ以上のスピードで素っ飛ばすその走りっぷりは、これまでのノロノロ山間走行に慣れた身には、驚異に感じるほどです。


それにしても、ローカル線をコトコト行く旅がこんなにも楽しかったとは。しばらく忘れていたこの喜びに、すっかり魅せられてしまい、このところアイドルの追っかけみたいなことをやっていることが、ひどくバカらしく思えてしまったほど。


明日は残り一日分の「秋・18」を使って、東海道をのんびりゆっくり戻ります。もう仕事はしばらくやめにして、旅しまくってやろうかな~。