だいぶ前に周遊券が廃止されてからというもの、乗り放題の切符の設定が極めて少なくなってしまった中国地方。魅力的な路線が多々あるにも関わらず、「18シーズン」以外には、ちょっと近づきにくく、もう15年以上もご無沙汰の線区もいくつか。このところ、プライベートで旅する機会が減ったことから、やたらと旅に出たくなり、「18きっぷ」の秋バージョンともいえる「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」を手にして、中国地方のローカル線の乗り歩きを試みました。




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さんざん乗り慣れている東海道はスルーして、新幹線で現地入り。姫路から姫新線に入り、実質上はここが旅の始まりといえます。オイシイところだけ選ぶのも、賢い選択なのです。

姫新線は、途中まで最新式のキハ127による運行。車両は転換クロスシートで、旅の気分が盛り上がります。




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佐用から先は、本数も2~3時間に1本と激減し、典型的なローカル線へと変貌します。車両も西日本ではすっかりお馴染みとなったキハ120にバトンタッチ。ロングシートが主体ですが、前面展望バッチリの「かぶりつき」が楽しめ、個人的には結構気に入っているのです。




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駅舎はどんどん建て替えられておりますが、まだこうして古い駅舎もちょくちょく残っていたりします。今日は通り過ぎるだけですが、いずれゆっくり再訪してみたいものです。




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津山に到着しました。今度は因美線に乗って鳥取方面へ向かいます。津山-東津山間は重複となりますが、乗り放題の切符なので何の問題もありません。




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智頭急行が開通してからというもの、因美線の津山-智頭間は陰陽連絡のメインルートから外れ、完全なローカル線へと成り下がってしまいました。鳥取へと続く県境を越える乗客はほとんどいなくなり、居合わせた数人の乗客は、全て件の切符で旅している旅行者のみというありさま。路盤の状況は極めて悪く、制限速度15キロの区間がやたらと続き、列車はゆっくりゆっくりマラソンランナーのような歩みで進んで行きます。




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JRの全駅下車を達成した思い出の美作河井に停車中。思わず胸が熱くなります。構内には復元された転車台も。



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40分後に那岐で折り返しとなる列車があるので、那岐で降りてみました。まだタブレット交換をしていた頃、ちょくちょく訪れた思い出の駅で、無人化されてからの様子がとても気になっていました。鳥取県に入って最初の駅です。



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ホームから駅舎までは、シブめの階段が続いているのが特徴です。10年以上前と特に変わった様子は見られません。




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味のある木造駅舎も健在です。ただ駅員が居た頃に比べると、明らかに活気が違います。出札窓口に人が居ると居ないでは、全く違う印象を抱いてしまいます。ここも随分と寂しくなりました。




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智頭から乗り換えた鳥取行は、タラコ色の40系。がら空きのボックスシートが旅情を誘います。最近はこういう列車も貴重になりつつあります。




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例の切符では乗れないけど、せっかくなので郡家から分岐している若桜鉄道も一往復してみました。山岳地帯を行く因美線のような絶景は臨めませんが、田園地帯をコトコト進む鄙びた景色もいいものです。国鉄時代からの木造駅舎が数多く残っているのも魅力の一つ。



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終点の若桜駅待合室には懐かしのアイテムも。




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若桜からの折り返しは回送同然のがら空きよう。ほとんど日は沈み、景色を味わうには今ひとつですが、こののんびりムードがたまりません。



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しかしそんなのほほんとしたひと時も束の間、途中から高校生の帰宅ラッシュとなり、都会のラッシュ顔負けの混雑に。でもこういう日常的な光景は、意外と好きだったりします。列車が本来の大量輸送としての役割を果たしているのを知り、ちょっとホッとした想いです。



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鳥取からは「とっとりライナー」に乗ってさらに西へ。夜の山陰本線をひた走ります。



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ってことで、今夜は米子に宿を取りました。米子には格安のホテルがたくさんあり、驚いています。ちなみにここは駅からすぐという利便性にも関わらず、一泊2630円という破格の安さ。これならネットカフェで一夜を明かすよりずっといいのでは。

明日は待望の木次線を旅します。