日曜はオフ日で朝から報道番組を観るというのが日課だが、流石に同じ話(コロナ関連)の繰り返しで無駄だと感じたので、屋外読書に徹する。暖かくなってきたと思い、セーターを洗濯にだしてトレーナーで過ごしたらまだ結構肌寒い。
それは兎も角、朝から『「信」無くば立たず』の中国、イタリア企業の特徴とその限界についてのフランシス・フクヤマ氏の解説を読む。そこで気がついたのは。彼の経済予測が間違った理由の1つに、彼が基本的に思想家で、数字を大事にしないのが理由かと感じた。
素人が傲慢な言い方だが、この分厚い本の中に図表が1つしかない。それもほとんど意味のない表1のみ。唯々議論が続くのみ。勿論凄い博学者であることは分かるが、イデオロギーが先にあって目の前の資料から<都合のよい数字だけを拾い上げる>から予測を違えるのだろう。
そうした間違いは自分にも経験がある。大量のデーターをそのまま解釈することは難しい。従って我々はその中でノイズと思われるものを無理やり消して、数量化し、モデル化し、言語化していくが、その過程で消してきた情報の中に実は非常に重要なものがあったことを後で知ることになる。 …気がついていたらNatureくらいに論文を出せたかも?という重要なデーターをそうして見落とした。 数年後にイギリスの研究者が新たなタイプの反応として正にそのNatureに報告していた(涙)
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『片付ける能力を持つと同時に、そこで豊かさが失われることの痛みを知っている人だけが科学者、技術者たりうる』
という言葉の持つ意味は大きい。
<公民館使用実績>
区長さんから今月末の総会で報告する資料作りのための公民館使用実績記録を求められる。
最初の緊急事態宣言解除後の6月から今月第一週までの9ヶ月間の使用実績117回、延べ人数616人(月1回の役員会を除く)。 大部分は住民のサークル活動での使用が多い。基本無料なので1つの社会資本と云える。文字通りの「ソーシャル・キャピタル」。
9ヶ月で117回の利用申し込みが全て電話連絡だったとするなら大変だったろう。これまで公民館長を担当された方はご苦労さまです。予約のクラウド化を進めたので、ほとんど電話連絡はなく、精々数回程度で済んだ。 全員がスケジュールを共有できていたので重複予約もなく、2回目の緊急事態宣言時の予約訂正などもすべてクラウド上で修正できた。
『唐代伝奇』
内田泉之助・乾一夫著、明治書院、平成8年初版。
Blogを検索すると2019年に一度読んでいるが何も感想として残していない。それどころか、『「唐代伝奇」の方は取り立ててのことはない』とまで書いている。しかし、今回読んでみたら色々気になるところ、納得できたところ、他の本と繋がったところが色々出てきた。やはり本は受け取る側にそれだけのものがないと受け取るものも少ない。
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この本によれば中国における創作は唐代に「伝奇」をもって最初とされるらしい。そしてその創作者は科挙出身のものたちであったらしい。これは合格した者も、不合格で出世できなかった者(こちらの方が勿論多い)も含めてのこと。彼らはそれまでの六朝文化の担い手であった門閥貴族に対する新興集団だとされる。p4 彼らを取り立てたのはあの則天武后で、彼ら新興勢力を使い門閥貴族の勢力を削ごうと考えていたらしいことは先の本、『中国文明史6、隋唐』で書かれていた。
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まず最初に、白居易のすぐ下の弟である、白行簡の李娃伝を読む。白行簡は「排行」が23というから、大家族であることが分かる。「排行」というのも最近知ったこと。ということは白居易は22。p7
科挙に受験するために長安に出てきた主人公が、遊びに東市に行くということから、西市の方に居を構えていたことが分かる。p151 実際東市は官僚などの住む高級住宅地で旅行者などは西市近くに住んでいたと、ここに記録を残していないが先の『中国文明史6、隋唐』で書かれていた。
また、主人公が見染めた女性の家に泊まりたいと思い、ワザと帰宅を遅らせ、「時を知らせる太鼓が鳴って」手遅れになったと述べる当たりも、p154 日没には外出が禁止の規則があったことと符号する。
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さらに、急ぎの使者がフェルガナ産の駿馬に乗って駆けつけるというのも、p159 当時ウイグルとの交易で大量の軍馬を調達したということと符号する。
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「南柯太守伝」は異類交婚説話の一種であるが相手は庭に巣をつくる蟻で一時の睡眠の間に数十年を蟻の世界で過ごす話。道家的逸話。注目したのはこの作者である李公佐が呉から洛に行く途中(呉とは江南の地で洛は洛陽か?)淮浦に滞在した時に収録した話としている。このとき彼が船で移動したことが『船をとどめて宿泊した』p134 と書かれていることからわかる。どうやら運河を使ったということのよう。
それ以外の話は唐代の事柄と直接関わるような情報は載せておらず、興味を唆らなかった。その中には有名な芥川龍之介の「杜子春」の元となったものもある。そういえば、冒頭、その話の中で長安の西市にペルシャ人屋敷があるとの記載があった。p222
ところで、この本には著者についての紹介は全くない。それで検索してみると、内田泉之助氏は漢文学者。(1892年6月-1979年)福島県生まれ。1926年東京帝国大学支那文学科卒、武蔵大学教授、二松学舎大学教授。1962年「秦漢文学形体考」で東大文学博士。63年定年退任、名誉教授とある。計算すると定年が71歳。私立文系は定年が遅いのでいいですね~(汗)