2021年13冊目:湖底の城 九
題名:-呉越春秋- 湖底の城 九
ASIN: B08DCQ6W8Z
著者:宮城谷 昌光
出版社:講談社文庫
メモ:
第8巻で、呉の捕虜となった越王句践
范蠡が幽閉される代わりに釈放され、越に戻ることとなる
この間、所謂臥薪嘗胆の「嘗胆」の部分だが、
臥薪の部分と同様、一切の記載は無い
いや、臥薪については、薪の上に寝たのではなく、
薪の中に寝た、と書かれた文書がある、と書いてあったが、
いずれにしろ、後世の捏造
嘗胆も同様、実際に肝を嘗めたわけではない
奢れる呉王夫差は、諫める伍子胥に死を賜り
他国を攻めるが、その間に、徐々に国力は低下
越王句践は、逆に越の国力を徐々に回復させ、
ついに呉に決戦を挑み、これを破る
これで物語は終わり、かと思いきや、
功労者である主人公范蠡は、越を去り、商人となる
呉王に仕えた伍子胥が殺されたのと対照的である
この巻で、呉越春秋は完
因みに、呉王夫差と先代の闔閭、そして越王句践も春秋五覇に挙げられることもあるが
斉の桓公と晋の文公以外の三人は、色々、組み合わせがあるので、
これ、と決まっているわけではないそうだ
斉の桓公と晋の文公以外だと、
秦の穆公、楚の荘王辺りの名前が挙がることが多いみたい
星四つ半
★★★★★