今日は朝から調布飛行場に行き、セスナ機に乗って神津島に来ている。

この神津島では、本日午前10時30分から午後5時まで、役場の隣の生きがい健康センターで法律・税金相談会を開催しており、私を含む弁護士2名、司法書士1名、税理士1名の合計4名で対応している。

私が所属するNPO法人司法過疎サポートネットワークでは、いわゆる司法過疎地域である東京都の島嶼部の島々を定期的に訪問し、島の村役場の協力を得て、無料法律・税金相談会を開催している。今回の神津島もその活動の一環として来ているのだ。

私は、弁護士1年目の頃からこの活動に参加し、これまで小笠原や大島、八丈島、神津島、三宅島等の島を訪問して来た。私が弁護士になった頃は、火山の噴火で一時期全島避難となっていた三宅島の島民の帰島が始まっていた時期であり、ほんの少しだが三宅島の復興支援の活動にもかかわった。

2011年に東日本大震災が起きてからは、そちらの被災者支援活動がメインとなってしまい、最近ではなかなか島に来ることができなくなってしまった。

しかし、最近つくづく感じるのだが、私が今被災地に通って現地で相談活動等を行っているベースは、この島嶼部における相談活動があると思う。弁護士というのは、依頼者や相談者に事務所まで来てもらい、そこで相談を受けるというスタイルが基本である。だが、私は、この島嶼部での活動で、地道に現地に通って相談活動を行い、徐々に現地の人たちの信頼を得て行くという手法に慣れていたため、震災後被災地に定期的に通って相談活動を行うというスタイルにも全く抵抗感を感じなかった。

さらに、島でも被災地でもそうだが、都会とは違って人口が少なく人間関係が濃密で匿名性のない地域では、相談者のプライバシーへの配慮がより一層要求される。知り合いに見られるのを恐れて、相談会場まで足を運ぶことすら躊躇する相談者も珍しくない。そのような場合には、被災者が住む仮設住宅の部屋まで出向いて相談を行うこともやっている。そうした出張相談におけるノウハウも、全て島での相談活動で勉強させてもらったことが多く、それが被災地での相談活動に凄く役立っていると思うのだ。

というわけで、やはり島での相談活動は、現在の私の被災者支援活動の原点だと改めて実感した。これからも地道に継続的に通い続けたいと思う。