あれから…17 | 青い人 嵐妄想小説

青い人 嵐妄想小説

気象系グループをモチーフとしたお話のブログとなっております。ブログ内のお話しは全て架空のモノです。腐的要素が含まれておりますので苦手な方は閲覧注意ください。アメンバー承認は以前よりコメメッセで絡んだ方のみです。

2021.1.26


『……で、貴方は一体いつまでそこにいるの?』


床暖房も付いてる、空調もバッチリ、寒くもなく暑くもない部屋で、何故かぶるっと震えた…

ジロっと上目遣いにこちらを伺う彼は、つい数時間前までテレビの向こう側にいて、パリッとしたスーツを纏って、微笑む顔が見事なくらい眩しくて…

じゃあ、テレビに映らない場所ではどうだろう…実はヘタレで不器用だってことは割としれてるけど…数分前に現れた彼は、テレビに映ってた人であるんだろうけど、やっぱりヘタレで不器用な感じは無くて、おまえのパブリックイメージどうした?ってくらい完璧で、話が違うだろうって心の中で1人で突っ込んでみたものの…何度振り返っても、やっぱり彼で、「わー智君の部屋久々〜」とか、「あ、見たことないのも増えてる…」とか、かって知ったるという感じでくつろぎ始めて、でもちゃんとスーツはパリッとしてるし、身のこなしは優雅だし、いちいち育ちの良さってやつ?を感じるんだ…

で、冒頭に戻るんだが…

招き入れたのは良いが、パニックになった俺はとりあえず何か飲み物をと、キッチンに来たものの、こういう時はコーヒーが良いのか、あぁラテの方が好みか…それともアルコール?いや、車かもだしな、帰れなくなったらまずいし、まぁ最悪泊まればいいか…泊まるとなるとなぁ…寝る場所……やっぱコーヒーか!……とかなんとか考えていたら、催促された…ぼーっとしていたわけじゃない、ちゃんと色々考えてるんだ…けど……



『智君?…俺の事はいいからこっちおいでよ…そうやって物理的に距離を取られると、寂しいよ』



待て待て…不覚にも四十のおっさんがメンバーにキュンとしてしまった…しかもしれっと逃げてたのバレてるし…はぁ…こいつには嘘や取り繕うという真似は通用しないんだった……


『今行くよ…あのさ、 少し……食べられるか?あ、無理じゃないから!色々食べただろうし、聞いてみただけだから!』


『…ふふふ、何慌ててるの、食べるに決まってるよ…実は腹減っててさ、夕飯食べ損ねちゃって』


『へ?…おま、こんなとこ来てる場合じゃないだろう!ったく、律儀すぎるんだって…翔ちゃん』



誕生日だった翔ちゃんが、夕飯を食べ忘れるなんてよっぽどだ…あとからあとからひっきりなしにお祝いがあったのかな…ケーキは食べてきたのかな…そんな日に彼女ほっといていいのかなぁ…ま、翔ちゃんの彼女になるくらいだから、懐の深い子なんだろう…「メンバーを優先しなよ…」なんて綺麗に笑って、主人の帰りを余裕で待っているんだろう…

あれ…なんか俺、嫌味っぽい?…チクチクするし…

なんてひとりで悶々としながら、勝手に作った晩餐の取り分け分を皿に盛りつけていく……





『……こんなもんしかないけど…』

『え、すごくない!?全部貴方が作ったの!?俺マジで感動してるんだけど…めっちゃ震える!』


『いや、大袈裟だから…俺が出来る簡単なやつだから…』


えらく感動してくれて、すごく照れくさかった…つらつらと感謝の言葉を述べ始めたので、恥ずかしくて、冷めるからさっさと食べろって無理やり話を終わらせてしまった……



うまいうまいって、それはそれは嬉しそうに食べる姿を見て、何故だろう……泣きそうなくらい嬉しかった…冗談でも大袈裟でも無く…ただただ、嬉しかった……