人って何をするにも必ず自分の為になる。
肉体を持っている限りそうなる。
これは抗えない事実だ。
だからどれだけ詭弁を並べても、
人の為にやっていると口にした時点で偽善になる。
それなら素直に自分の為だと公言し、
その結果が人の為になる方がよっぽど気持ちがいいし、
よりれっきとした「善」になる。
イビツではあるが、
筋を通そうと思うならこうなってしまうのが、
この世界である。
とはいえ、
実は古くから日本では「質的反転」という概念があり、
精神と物質の性質は逆であるという考え方だ。
今回の場合は、
「意識をすると表面化せず、意識から外れると表面化する」
という事に当てはまる。
無くしたモノが忘れた頃に出てくるアレである。
また、これはまさに、
動きを見ようとすると止まり、形を見ようとすると動き回る量子の「ツンデレ」の振る舞いとも合致する。
簡単にいうと、本番で上手くやろうとするほど緊張してできない、失敗してもいいから楽にやろうとすると上手くいくアレと同じ原理である。
ようするに、
意識が「善」に向いている限りは「善」は行えず、
無意識に行われている場合において
初めて善は善として成り立つのです。
それには
①善という概念自体を知らずに生きるか、
②自分のマインドを善に染めて、
呼吸と同じレベルにまであらゆる行動が無意識に善が内在するように何年以上もかけて意識下に刷り込むか、
もしくは③本物の善人とともに数年暮らして感覚で理解するか、
そのいずれかしかない。
...と、そう私は思っていました。
つい、さっきの瞬間までは。
でも可能でした。
自分のやっている行動が、
自分のしたい事（欲・自我）と重なる行為であっても、
それが自我の為とならず、
しっかり自分以外（他者）の為になる④番目の方法、
つまり「奉仕」となりうるという事が、
実はあったのです。
善を意識的に行いながらも偽善とならない方法...それは、
「自分のしたい事を、今やっている行動や活動の目的の上に置かない事」です。
ちょっとわかりにくいので、
例えを出してみます。
.例えば世界の為にやっている事があります。
「①世界の為」という目的がある訳です。
でも、その目的の中には「自分の為」の部分があったりします。
「②世界が良くなれば自分が暮らしやすくなる」みたいな。
この②の部分を取るのです。
実はそれだけで良かった、とても簡単な事でした。
したい事（欲）と目的を切り分けるだけで良かったのです。
でも、この方法は
自分の意識の中にある「したい事」と「目的」を明確に内観できる、
もしくは明確に区別できるくらいのイメージ（意識感覚）を持っている人でないと、
自分のしたい事（自我）をそっと横においたつもりでも、
実はそれは「綺麗な自分でいたい」「偽善から卒業したい」という
内面的な自分の欲を欺く行為としてやってしまう危険性があります。
つまり、
自分で自分を無意識に騙している可能性があるというです。
なので気を付ける必要があります。
こういった内面的な自己矛盾を解消する為に、
思考整理力や俯瞰力で脳内整理して解決しようとする方が多いですが、
実はそれでは解決できません。
なぜなら、意識内でこういった無限な思考を生み出す根源は「感情」にあり、
その感情が生み出す起点（0ポイント）が肉体外からの外部刺激によるモノだからです。
なので、いかなる精神修業においても、
まずは肉体の機能を鎮め、外的刺激による思考と感情のノイズをほぼ無くし
（完全になくすのは肉体の仕組み上不可能）する所から始めます。
肉体と感情が穏やかな状態となって初めてスタートラインを切る訳です。
（これがいくら思考を鍛えても精神性（人格）が磨かれない理由です）
あと、善を善たらしめるためには、
この善を行った後の報酬やうま味を受け取ってはいけません。
世界が良くなった事で
自分に返ってくるメリットを受け取るのは
ルール違反になります。
誰かに言われて思い出す位のレベルで、
そういう発想自体が思い浮かばないくらい、
「いい事をするのは当たり前な事」と思ってやるのが肝です。
そして、
いい事をするのは「当たり前」ではあるのですが「義務」ではない、
という所もとても大事です。
たまに「いい事」をしなかった時に、
自分に対して罪悪感を感じたり、
自分は精神性が低いのでは？と悩む方もおられますが、
したくない時にしたら、
もうその時点でそれは「善」にならないので、
したくない時はしなくていいのですよ(笑)
最後に、善は自己犠牲になってはいけません。
1ミリもなってはいけないのです。
いかなる自分に返ってくる良いカルマも作ってはダメという事は、
自分に返ってくる悪いカルマも作ってはいけない、
つまり、少しでも犠牲になってはいけないのです。
とまぁ、長くなってしまいましたが、
突然書きたくなったので、書きました。
もし皆さまも「善」を行いたいけど、
「偽善」になる事を恐れる事があるのであれば、
この話が皆さんの意識にある重りを軽くしてくれることを願っております。
本日最後までお読み下さり誠に有難う御座いました。
それでは、また！
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こちらは７年前、日本メンタリスト協会からのご依頼で制作した映像です。
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