そんな中、「白タク」の横行が問題となっている。
東京・羽田空港では、外国人観光客から、「富士山とか名所は絶対行かないと!」、「日本の...あの...何とかタワー。(東京タワー?)そうそうそう。ショッピングも楽しみ」などといった声が聞かれた。
ゴールデンウイークも、中国からの観光客で大にぎわい。
一方、タクシー乗り場では「あんまり気分のいいものじゃないですね。違法行為ですからね」、「白タクの人間というのは、ここではなく向こう側(一般ロータリー)でやりますから。のさばっている感じですよね」などと、怒るタクシードライバー。
その矛先は違法タクシー、いわゆる「白タク」に対して向けられていた。
中国人観光客は「(タクシー使いますか?)はい。普通のタクシーではないけど、使いますよ」、「白タク使いますよ! 普通のタクシーより全然安いのよ! (普通のタクシーの)7割くらいで乗れるのよ」などと話した。
さらに、こうした白タクの予約や支払いは、スマホやタブレットの中国のアプリで簡単にできてしまう。
女性は「このあと、車が迎えに来てくれるのよ。(アプリで)予約した車が! (普通のタクシー?)違うわ、個人業者が注文を受けてくれるの」、「もう着いたみたい。飛行機から降りる前に着いたって」、「(ついて行っていいですか?) いいですよ」、「(今から合流する人は知り合いですか?)いいえ、知らない人よ」と話した。
女性たちについていくと、ターミナルの外に出たところで、1人の男が待ち受けていた。
男「なんで記者がいるんだ!? 君たちの知り合いか?」
記者「フジテレビです」
男「悪いけど忙しいんだよ!」
記者「この人たちを迎えに来たんですか?」
男「彼らは、わたしの友人だよ」
記者「彼らの名前は?」
男「やめろ! 何撮ってるんだ!」
記者「3人は、あなたの友人なの?」
男「この2人何なんだ! 知り合いか!?」
女性「違う...すみません。もう撮らないでください...」
そして、行き着いた場所には白ナンバーの車が。
「白タク」とみられる。
結局、男は女性たちの荷物を積み込み、走り去っていった。
こうした白タクは、もちろん違法で、その行為はあとを絶たない。
2018年に入り、白タク行為を行っていた中国籍の男が相次いで逮捕されているが、支払いがアプリで行われるため、直接的な金銭の受け渡しがなく、証拠を押さえるのが難しい状況となっている。
ニッセイ基礎研究所・井出真吾氏は、「白タク(のような商売)は、中国に限らず、海外では一般的に利用されています。そのためのスマートフォンアプリも非常に多くの人が使っています」と話した。
中国では合法であるため、客側は違法行為を行っているとの意識は薄いという。
外国人観光客が年々増え続ける中、取り締まりの強化が求められている。