カンブリア宮殿 (溝畑宏氏)
今回のゲストは、大分フットボールクラブ社長の
溝畑宏氏だった。
私は個人的にJリーグに興味をそれ程持っていないので、
「どうかなあ?」と思いながら観た。
そしたら、凄かった。
何が?って「溝畑氏」が。
ちょっとクスリでもやってるんじゃないか?
ってくらいのハイ・テンションで、
話が面白かった。
溝畑氏は、85年東大法学部から自治省に入省し、
90年に大分県庁に出向。
94年、地域振興の為に㈱大分フットボールクラブの
設立・運営に携わる。
しかし、地域住民の反応は冷ややかで、
東京から来た役人がおかしな事を
やっているという感じだったそうだ。
チームは発足当初から資金難が続き、
専用グラウンドはなく、
初戦のサポーターはわずか3人という有様だった。
溝畑氏はそれでもあきらめず
自ら商店街を歩きチームを宣伝して回り、
正に草の根の宣伝活動を行う。
00年に取締役に就任すると、
04年には代表取締役に就任。
溝畑氏はどんどんチーム運営にのめりこんでいった。
06年、なかなか経営が軌道に乗らないなか
自分だけが安定した公務員のままではだめだと
覚悟を決め総務省を退職し、
背水の陣を敷いた。
これは、自らにも周囲にも覚悟の程を表したのだろう。
奥さんとは離婚したと言っていたが、
溝畑氏の少々常軌を逸したチームへの執着ぶりが
原因であろう事は想像に難くない・・・。
その甲斐あってか、
今年大分トリニータは、ナビスコカップで優勝し
リーグ戦でも4位に入るなど快進撃を続けた。
溝畑氏の話を聞いていて凄いのは、
そのポジティブさ。
「身の丈を知れとよく言われるが、
その身の丈を決めるのは俺だ!」
「チーム運営は100苦労があると、
報われるのはせいぜい1か2。
でもその苦労があると必ず報われる時もあるので、
逆境ウェルカム!ウェルカム逆境!」
何か事をなすには、
溝畑氏くらいのパワーと
覚悟がなきゃならんなあーと、
つくづく思いました。
そういえば、高畠先生も
「覚悟に勝る決断なし」と
おっしゃってましたね。
最近の日本を蔽う閉塞感。
何かどんどん夢が失われ
人々がリスク(挑戦)でなくて安定(現状維持)を
求め始めている気がします。
このままで大丈夫なんかいな?
と心配になっていましたが、
溝畑氏のような人をみると
まだまだ日本も捨てたもんじゃない
大丈夫かも?
という気にさせられます。