カンブリア宮殿 川崎商店社長 川崎磯信氏 | bigmokaruのブログ

カンブリア宮殿 川崎商店社長 川崎磯信氏

今週のカンブリア宮殿は、

米の話でした。


kawasaki

出てきたのは、川崎商店社長「川崎磯信氏」


川崎氏は、国の食糧政策に反対する為に

「ヤミ米」を売ってきた人だ。


問題の根源は、戦争中に制定された

「食糧管理法」

戦時下に食を確保する目的で

当時の政府が作った法律だったが、

戦後もその法律は効力を持ち

国が米の生産・流通について

強い影響力を持ち続けた。


戦中は、「食糧管理法」は米の増産を農家に奨励し、

戦後は、米の減産を農家に強制した。


戦後になると、戦勝国である米国は、

自国の小麦を日本人に消費させようと

米から小麦への転換を図ろうとした為だった。


学校給食にパンを採用させ

「米離れ」を演出した。


(私なんかもすっかりパスタやパンが

好きなんで、戦略はずばり的中!)


米農家に生まれ自身も米を生産していた

川崎氏はこの政府の政策に激しい抵抗感を

覚えたという。


米の流通経路は複雑で、


      農家

       ↓

      農協

       ↓

     経済連

       ↓

      全農

       ↓

      政府

       ↓

     卸売業者

       ↓

     小売業者

       ↓

     消費者


建前上生産した米の全量を

この流通経路で販売しなければ

ならない。


おそらく様々な利権が絡んでいる為に

末端の農家と消費者との間が、

「ブラックボックス化」していて、

事故米などの問題を引き起こしている。


川崎氏はこのような状況を問題定義する為に

自らを告発するよう監督官庁である

農水省に訴えた。


川崎氏は、農家から直接米を仕入れ

消費者に直販した。

問屋を通さないために安く売ることができ

諸費者からも指示された。

これが正規の流通ルートを通らない

「ヤミ米」だ。


1994年ついに川崎氏は食糧管理法違反で

摘発され裁判に、罰金300万円の判決を受けた。

しかし、一方で食糧管理法の限界も露呈し、

結局法律は廃止となった。


これで、問題は解決かというとそうではない。

多くの農家は国や農協に対して依存している為に

食糧管理法がなくなっても依然として

旧来の流通経路に頼らないわけには行かないのだった。


農家の多くは農機具などを

農協から借金して購入しているので、

農協の支配から逃れることができない。


結局長年政府の庇護にあった農家は、

独立した道を歩めずにいる。


失礼ながら川崎氏を見て、

「このおっさん農家の親父のくせに物知りやなあ」と

思ってしまった。


私の偏見かもしれないが、

一次産業に従事する人は、

世事に疎い人が多い気がする。


誰もがそれなりに生きていくためには、

世の中の動きに注意を払い。

自分のおかれた状況を良く見極める必要が

あるなあと思うのであった。