悲喜こもごもの「ハンガリーGP」
「ハンガリーGP」では、勝利の女神はなかなか意地悪だった。
フリー走行から予選を通して、マクラーレンが一歩抜けている感じで、
特にイギリスGP、ドイツGPと連勝をあげたハミルトンが、絶好調。
インタビューでも、余裕の発言でハミルトンの一人勝ちか?と思われた。
フェラーリは、マッサが予選3位につけたものの、
ライコネンは6位に沈み、予選1・2のマクラーレンと明暗を分けた。
マッサそこそこ速いが、
ライコネンは最近マシンセッティングに悩んでいて
彼本来の速さが出ていない。
決勝は、スタートでマッサがコバライネンを抜いて
レース開始早々ハミルトンと
一騎打ちに持ち込めるかどうかが注目だったが、
何とマッサは、コバライネンはおろかハミルトンまで
1コーナー進入でかわしトップに躍り出る。
家族が寝ているのに思わず。
「お~!」と叫んでしまった。
1コーナー進入でハミルトンにアウトから並びかけ、
タイヤから白煙を噴きながらのレイトブレーキング
サイドバイサイドで立ち上がり
見事にハミルトンをパス。
これだけ見事なオーバー・テイクは久々に見た。
「マッサ見直したぞ!!」

マッサは見事前戦ドイツでの借りを返した。
その後もマッサは、ファーステスト・ラップを連発
ハミルトンを徐々に離していく。
ハミルトンは時折コースアウトしたり
予選の時のようには速さを発揮できていない。
おまけにパンクして優勝戦線から離脱。
レース前には予想外の展開。
ライコネンは、6位を走行してアロンソに引っかかっている。
アンダーステアが強いようで、
格下のルノーのマシンすらかわせない。
マッサは、先行逃げ切りパターンが得意なので、
このレースはマッサのものと誰もが思っていると、
残り3周でまさかのエンジン・ブロー。
マッサのマシンは白煙を噴いて、
ホーム・ストレートでストップ。
こうなると淡々と2位を走っていた「コバライネン」が
初優勝のチャンス。
ドイツでハミルトンにあっさりと前を譲ったコバライネンが、
ここハンガリーで初優勝とは、
女神は気まぐれだ。
6位に低迷していたライコネンだが、
第三スティントで履いたソフト・タイヤが
マシンに合っていたようで、
突如息を吹き返す。
ライコネンは、アイスマンの愛称で知られるように、
あまり感情を表に出さない。
やる気があるのかないのか分からないが、
どんなレース展開になっても最後まであきらめない
粘りがある。
去年のチャンピオンはその賜物だろうけど。
結局ライコネンはチームメイトのリタイヤで
3位表彰台をゲット。
2位にはトヨタのグロッグが初ポディウム。
ルーキーイヤーでの表彰台はたいしたもの。
彼もドイツGPで壮絶なクラッシュをした後に、
表彰台と今日のレースは様々ドラマがありました。
今年のF1は近年にないくらい
ポディウムの面子が変わる
なかなか面白いシーズンだ。