自閉症の9歳の男の子。彼には自分のお父さんからのトラウマの経験があり、今はお母さんと弟の3人でお父さんから遠く離れたところに住んでいます。お父さんと住んでいた頃、彼はお母さんと弟を守ることをいつも考え、また大人を信用することができなくなってしまいました。

彼と出会ったのは3年前。お父さんから逃げてきてすぐの時でした。学校では毎日のように癇癪を起こしていて、学校では問題児のレベルを貼られていました。

 

セラピーで大切にしたことは、私は彼を問題児として見ていなくて、一人の良い子供として見ていることを伝えることでした。彼自身、自分は悪い子だと信じていたので、彼に自分の素晴らしさに気づけるようにするのはとても大変でした。

 

また彼が癇癪を起こした理由は、自閉症のため、そしてトラウマの経験のためでした。だから、学校にも積極的に働きかけて、彼に合うサポートを求めました。自分に自信がつくことによって、彼の気持ちも良くなり、色々なソーシャルスキルや、日常に起こる問題解決のスキルなどを学んでいくことができました。

 

現在の彼は、癇癪も年に2−3回くらいで、学校でも元気に頑張っています。自分の必要なものも自分で言えるようになりました。

 

ところが、今日のセラピーの時にお母さんが、最近彼が自分の弟やクラスメートをやたらに助けることについて話し始めました。問題は弟やクラスメートは助けてもらいたくないのです。彼が助け始めると、弟やクラスメートは泣きそうになって、「自分でできる!」と言うのです。10分くらい彼に、「どうして助けたいのかな」「助けなかったらどうなるかな」など、一緒に考えていました。すると、突然目に一杯涙を溜めて泣き始めました。「僕はみんなを守らないとダメなんだ。僕が助けなかったら、弟やクラスメートがトラブってしまう。」

 

私の心が張り裂けそうになりました。深呼吸をして。。。。

 

私は彼に、「あなたはもうお母さんや弟を守らなくてもいいんだよ。今はもう何も心配しなくてもいいんだよ。ここは安全なところ。そして守るのはお母さんの仕事。お母さんは今はとっても強くて、あなたと弟のことを守るから。だから、子供になって毎日をエンジョイしていいんだよ。あなたは子供。」涙が一杯浮かんだ目で私を見つめて、彼は頷きました。

 

今日彼はセラピーでとても良いワークをしました。子供も大人のように深く感じ、深く考えることができます。だから、良いセラピーをすると、子供の人生は大きく変わるのです。