昨日も少し触れましたが、今週の都大路Sで復帰予定だったファントムシーフが火曜の調教の後に浅屈腱炎を発症。損傷率30%の重症ということで引退の可能性が高いと思ったのですが…

 

<ファントムシーフ>

2024-05-09臨時更新

栗東・西村真幸厩舎で休養しています。昨日午後、損傷率30%以上の右前脚浅屈腱炎発症が判明したことを受けて、今後について関係者で協議を行い、その結果、幹細胞移植手術を受けて現役復帰を目指す事になりました。西村調教師は「30%を超える損傷率と、症状としては重度と言って良い浅屈腱炎で、昨日の段階では現役を続けるには難しいレベルという認識でした。ただ、これだけの素質馬を諦めきれないという気持ちが自分を含めて牧場、クラブサイドにも共通してあり、昨日から獣医に相談する中で、幹細胞移植手術という選択肢が示されました。具体的には、胸骨の骨髄から骨髄液を採取し、そこから培養した幹細胞を患部に移植する手術となり、血液から取った血小板を移植するPRP治療とは異なる療法です。損傷した腱は、そのまま治療して修復した場合、その部分はギザギザになって修復されて、結果、今度はその周辺が損傷する可能性が高くなり、結果、再発リスクが高くなるそうですが、幹細胞移植手術を行った場合、損傷個所が真っ直ぐ綺麗に修復されて、結果、手術せず回復した場合と比べて再発リスクが下がるということです。とは言え、幹細胞移植手術を行った場合も、復帰までには1年~1年半という時間が必要とのことなので、決して平坦な道ではありませんが、牧場、クラブサイドと協議した末、手術を行って復帰を目指すということで決定しました。なお、幹細胞移植手術については、損傷後、時間が経てば経つほど効果が見込めなくなるとのことで、最速で手術を行えるようにトレセン診療所に申請を行いました。3歳時はクラシック3冠全てに挑戦し、勝てなかった迄も良いレースが出来た能力の高い馬です。菊花賞後、左前脚を痛めてしまい、大事をとって半年間休ませて、今週復帰という矢先での今回の屈腱炎判明となり、個人的にも諦めきれない気持ちが強かったです。もう一度、ファントムシーフが競馬場に戻って来てレースで走れるように見守っていただければと思います」とのことです。今後は、トレセン診療所で手術が行われる予定です。

サンデー、キンカメを持たない血統なので種牡馬にするという選択もあったかと思うのですが、やはりGⅢ1勝だけでは厳しいということなのでしょう。復帰への道のりは安易なものではないでしょうし、馬自身も関係者も忍耐が必要かと思いますが、決まったからには何とか頑張ってほしいですし、競馬場で会える日を願って微力ながら支えていきたいと思います。