第3室第2話 47West63rdの秘密
第2話 47West63rdの秘密
~なぜ、たった数文字が人を魅了するのか~
初めてBlue Noteのオリジナル盤を手にした日のことを覚えています。
レコードを取り出し、ラベルを見た時、そこにはこう書かれていました。
「47 West 63rd NYC」
当時の私は、その意味が分かりませんでした。
しかし、先輩たちは口を揃えて言いました。
「おっ、47West63rdじゃないか。」「大切にしなさい。」
なぜ、たった数文字が、それほどまでに人を惹きつけるのでしょうか。
実は、「47West63rd」とは、1957年頃から1962年頃にかけて使用された、Blue Note Recordsの住所なのです。
つまり、その文字は単なる住所ではありません。
それは、
* ジョン・コルトレーンが吹いた時代。
* リー・モーガンが輝いた時代。
* ハンク・モブレーがテナーを鳴らした時代。
を今に伝える、タイムカプセルなのです。
コレクターは、その文字を見るたびに思います。
「このレコードは、あの時代を生きてきたんだ。」
そして、ラベルを裏返し、「RVG」の刻印を探し、「耳マーク」を見つけた瞬間、心の中で小さくガッツポーズをするのです。
人は、音を求めてオリジナル盤を探しているのでしょうか。
私は、少し違う気がしています。
きっと私たちは、あの時代の空気を探しているのです。
だから今日もまた、レコード店の片隅で、ラベルに小さく印刷された「47West63rd」の文字を見つけると、少年のように胸が高鳴るのです。
知って得する豆知識
Blue Note住所の変遷
1. Lexington Avenue
2. 47 West 63rd Street
3. New York USA
4. Liberty
5. United Artists
五つの奥義
1. Lexingtonは初期の証。
2. 47West63rdは黄金期の象徴。
3. 「INC」の有無にも意味がある。
4. RVGとEarマークは必ず確認。
5. ラベルは時代の履歴書。
最後の一文
「47West63rd。」それは住所ではない。
ジャズが最も輝いていた時代への、入り口なのである。

