お市の方と結婚? あったかもしれない婚姻同盟

先ほど見ました、どうする家康の第4回「清須でどうする!」。公式HPでは、1562年(永禄5年)家康、満19歳になる年のお話です。今川と手を切り、織田信長と結ぶ決断をした家康が、清須城を訪れてお市の方と久々に再会し・・というお話でした。

 

お市の方が家康とは結ばれないことは既に知っていましたが、それをどのように描くのか、興味深く見ていました。

 

ここからはネタバレになりますので、まだ見ていない方はご注意ください。

番組紹介 | 大河ドラマ「どうする家康」 - NHK

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・そういえば政略結婚が無かった織田ー松平同盟

劇中では、信長の提案で命令で、信長(信長は1562年で満28歳。家康とは9歳差)の妹のお市の方(おそらく1562年で満15歳)と元康(家康)が結婚する、という話が進みました。もちろん、史実ではそうはなっていないので

 

この話はどこかで破談になるに違いないニヤリ

 

と思って見てました。それと同時に、信長と家康が最初に同盟したという「清須同盟」には、政略結婚が伴っていないな、と改めて思いました。多くの場合、同盟には政略結婚が伴います。これは古今東西共通の事情です。結婚を介して両者が親戚縁者になることで、単なる口約束でない「血縁の同盟」として成立するわけです。もちろん、政略結婚が無くても組まれる同盟もありましたが、日本の戦国時代の同盟で、政略結婚が無い同盟は少数派なのかもしれないです。

『どうする家康』では、そこを題材として「もしかしたらお市の方との縁談があったかもしれない」と想像してこの話を作ったのだと思います。お市の方は生年不詳ですが、だいたい1547年くらいの生まれと考えられているので、家康とは4歳差。結婚しても変ではないですよね。でも、実際には家康本人は信長とは直接親族にはならず、後に家康の長男・信康と信長の娘・徳姫が結婚して織田ー徳川は政略結婚を伴った同盟になったわけです。「岡崎の弟」と呼ぶくらいの仲だったので、それだけでも十分だと思ったのか。この辺りの事情は、もっと深く調べたら意外な事実が浮かび上がるかもしれないです。

 

 

・ヴァイキングみたいな織田の家風

久々に会った元康を相手に相撲を取る信長。周囲を屈強な家臣たちに囲ませて、1対1の激しい肉弾戦が繰り広げられました。周囲を家臣に囲ませて逃げられないようにして、1対1で当主自ら戦うなんて、前に見たヴァイキングの映画のシーンを思い出しました。実際、織田家の空気は雅な今川家とは全く異なる「戦士団」みたいに描かれているのが面白いですね。

 

 

・ヒステリックで狂気的な今川氏真

一方、元康に裏切られたと感じた氏真は怒り心頭。そして、これがチャンスとばかりに、「側室にしたい」と言うほど好きだった瀬名に夜の相手を命じます。そのシーンが、予想とは違った恐ろしいものでしたガーン

家康に渡された(?)お守りを壊すくらいなら「嫉妬に狂う男」というくらいですが、瀬名の指に刀を入れてその血で「たすけて」と書かせた手紙を家康に送るとか

 

狂気を感じさせるヒステリー

 

でした。元康に対する怒りでおかしくなっている、視聴者にそう感じさせる名演技でした。父・義元は「王者の徳による政」の重要性を家康に教えていましたが、息子の氏真には少しも伝わっていないようです。「鎌倉殿の13人」の源頼家を連想させますね。そんな今川氏真に私が思っていたことは

 

援軍送らないで使い捨てにするからだよ

 

これだけ。ほんと、こうだと思います。氏真から見たら、家康は「今川家のために粉骨砕身働かなければならない使い捨ての駒」と考えているのが見え見えで、「一門衆並の待遇」とかはむなしい虚言にしか聞こえません。本当に大切にしているなら、援軍を送って支援する気を見せる必要があります。きっとこれは、人を使い捨て労働力としか考えていないブラック企業の経営者らに対して暗に送っているメッセージなのではないか、と思いました。織田信長との対比的な描き方もわかりやすくて良かったです。

 

 

・大高城は義元を誘い出す餌?

ムロツヨシさん演じる秀吉(木下藤吉郎)が、桶狭間の戦いの時に、松平勢が大高城への兵糧入れを成功させたのは、実力で勝ったからではなく、そもそも織田の作戦だった、という説明をしていました。私は違うのではないか、と思いますが、なかなか面白い説だと思います。桶狭間の戦いは非常に有名な一方で、その戦闘詳細については謎も多く残されている、という議論の多いトピックです。

 

 

・今日のどうするポイント「お市の方か瀬名か?」

前回、母である於大の方に「国と家臣のためなら、自分の妻子くらい平気で打ち捨てなさい!」と言われたこともあり、そうする決心で信長に付いた家康。しかし、信長との同盟にあたって、お市の方との結婚を提案命令され戸惑います。まだ生きている瀬名と子供達を放り投げて、お市の方と結婚するべきなのかどうか、おおいに迷うところです。もちろん、答えは瀬名になることはわかっていましたが、実際に自分がそういう立場に立ったら、物凄く悩みます。夜も眠れなくなるかもしれません。

しかし、もう第1回の家康とは違いました。信長が向けてきた刀を素手で握り、血を流しながら今川打倒を強く宣言。乱世の荒波に揉まれて、精神面で強くなった(追い込まれ)家康がカッコよかったです。

 

 

 

さて、私が期待していたムロツヨシさんの「秀吉」も登場。第5回も楽しみです!!