深夜一時に起きシャワーを浴びて修行先へ向かうと、板長は大概もう店の中にいます。

定置網漁の船が戻って来るのは、早いと二時ぐらいで遅いときは二時半をまわったりします。

風であるとか潮の流れの速い遅いで、その違いがあるようです。


船の戻りが遅いときは板長とキッチンでくつろぎながら、様々な話をしています。

たまたま漁の話になった時に、吾輩がふと思い出して

「夜中に目が覚めた時に、定置網にすごく魚が入った夢を見てたのを覚えてるんですよ」

と話しました。

話ながら心のどこかで

「正夢にならないかな」

なんて思いながら、帰りの遅い船に

「もしかしたらそうかも知れない」

と期待もしていました。 


因みにこれは、板長がお手洗いに行ったので手持ち無沙汰な時間を過ごしている自分です。


閑話休題!

帰ってきた船から、大きな網で仕分け台の上に捕れた魚を広げると…

一目見て明らかにいつもよりブリの割合が多かったのです。

心なしかショウゴ(カンパチの子供)もいつもよりあるような気がします。

魚は何回かに分けて仕分け台にあげます。 

たまたま最初にいい魚が多かっただけの可能性もあるので、糠喜びにならないように冷静に仕分け作業をしました。


しかし二回目も三回目もブリもショウゴも多いのです。

ブリは自分が見てきた中でも圧倒的ダントツで本数がありました。


吾輩が見た夢は正夢だったわけです。

 



……という、気分のいい本日の始まりでした。





はい、左様なり♪