自分が子供の頃はお盆でもまだトウモロコシの時期には早く、帰省している兄や姉に母親が
「もう少しあとだったら、美味いトウモロコシがあるのにな」
と言っていたことが記憶にあります。

昔は自分の畑でとれたトウモロコシから種をとっては翌年もトウモロコシをつくっていたので、ずっと同じ品種をつくりつづけていたのです。

当然、成熟するのも毎年同じ時期になります。

今月のあたまに岩手県の葛巻町から送って頂いたトウモロコシを見ながら、畑仕事にいそしむ大正生まれの母の姿を思い出しました。

大量に送って頂いたので早速、関東に住む子供たちに振り分けさせて貰いました。
我が岩手産のトウモロコシにかぶりつく孫の姿には、様々な感慨深い思いが込み上げます。

おじいちゃんとおばあちゃんがいて、父親がいて母親がいて…
姉がいて兄がいて妹がいて…
たまに顔を会わせる甥っ子がとても可愛くて…

あの家族の中で暮らし大人になり、やがて自分も家族を持ち…
そしてまたその家族もそれぞれ独立して各々の人生を形成してゆく…
「これが時の流れというのか…」
と、孫の顔を見ながらあらためて噛み締めました。

トウモロコシの出来る時期でさえ変化があるのに…
自分の経験であるとか考えを元に、若い世代へ何かを押し付けるような年寄りにはならないようにと…
そう自重しながら、吾輩もトウモロコシにかぶり付きました。