昨日は夕方から雨が降りました、吾輩は基本的に雨も雷も嫌いではありません。
若かりし頃は夜中の大雨と雷を、マンションのベランダにある椅子に座ってずっと眺めていたこともあります。
降りしきる雨に依って社会と分離されたような気持ちになり、あの孤独感の中に"生きているのだ"というリアリティを感じていたような気がします。
そして雨が降ると時々思い出すのは、大正生まれであった母のことです。
父親が公務員であった為に、結構な広さの畑の作業をほぼ一人で担っている母でした。
しかし雨が降ると農作業が出来ないので
「今日は、へっちょこ団子でも作るか」
と、小麦粉を取り出します。
10円玉ほどの大きさのまん丸団子を作って親指で真ん中を押して凹ませると、それがまるでヘソのような形になるわけです。
それを餡の汁にいれるわけですが、完成すると子供の数だけ皿にとって窓際に行き
「雷さん、これあげるから子供のヘソは取らんでよ」
と言って供えていました。
五十歳を過ぎてからやたらと子供の頃を思い出します。
子育てを終えようとしている今…
自分が育てられた環境と、自分がしてきた子育てを無意識のうちに比較しているのかも知れませんね。
人生で親子関係は二度あります。
一度目は自分が子供であり、そして二度目は親として経験するわけです。
人によっては最初の親子関係で満たされなかった部分を二度目の時に代替経験しようとするのでしょう。
自分の子育てはどうだったのか…
それを学問として追及している者でもなければ、冷静に考え分析したりする必要はないのかも知れません。
より正しいとかより良い子育てなんてものはあるのでしょうか。
ただただ「子供が大事」だという己の気持ちを確認しながら、日々を積み重ねていくことなのだと思います。
亡くなった父親と母親から何かを引き継いだ子育てを、自分は出来ただろうかと考えることはありますけどね。
はい、左様なり♪