平成最後のお正月は息子三人に娘八人、それに娘の旦那や彼氏などが集まり賑やかなひとときとなりました。
もちろんそこには孫の存在も大きな華を添えています。
普段から家族のグループラインは常に稼働していてそれなりにコミュニケーションはとれていますが、個別に話すことはなかなかありませんからまずは一人一人とゆっくり話をしました。
因みに元嫁の佳美さんも参加してくれたので、マンツーマンで30分ほど話しましたがこれも珍しいことです。
お互いに〃無理だったね〃と認め会う仲であり、でも今を楽しく過ごせるのは子供たちの存在があるからだという共通認識も持ち合わせています。
同時に……
どちらかが口撃でも仕掛けようものなら、すぐに反論する臨戦態勢にも常にあります。
「だから、それはやめよう」
という休戦協定が成されているわけです。
一番困ったのは八女の紬美との会話でした、なにしろ育ててませんからね。
「何も話すことないな、父ちゃんは紬美を育ててないからな」
そう言うと
「そうだね」
とニコニコしながら弾けるような笑顔で返してくれるこの子も春からは五年生になります。
我が子の成長過程に及ぼせる影響力が少ないことを切なく思ったこともありますが、天真爛漫に育ってくれている紬美を見ているとそれは必ずしも必須ではないなと感じますね。
晩御飯の後は娘婿も交えての家族マージャンから、我が家恒例の深夜散歩となりました。
ワイワイ話しながら散歩をするのは、もう二十年来続けてきた趣味であり、癖であり、また憩いの時間でもあります。
翌日はみんなで中華街に出てぶらぶら歩き、のんびりと見物がてら立ち食いをしたりと過ごしました。
ある意味お正月らしい、ほんわかとした風景です。
長女が小学校三年生の終わりに、小学二年小学一年、年長年中年少、幼児に乳児の八人の子を抱えて父子家庭となりました。
あの時に、いずれこんな平和な正月を皆で迎えることが出来るなんて想像もしていませんでした。
何があっても生きてみるものです。
殊更に頑張る必要もないし
歯を食い縛ってなんて思うこともないし
何となくで構わないから
生き続けてみるものです。
生き続けて今を愉快に暮らしさえすれば、過去を振り返ってまで誰かを恨んだり何かのせいにして歯軋りをしたりせずに済みます。
我が家にとって平成の三十年は良くも悪くも本当に飽くことのない日々でした、そして父子で暮らした子供八人はこの年号のうちに成人します。
父親は母親とは違いつまでも親ではなく、子が成人したらただの人生の先輩になるものだと思っています。
まさにその時期が来ているのだ実感もするのです。
もう一度人生をやりなおしたいと思うことなどありません、吾輩ごときがよくやってこれました。
いずれにしろ……
平成の終わりは我が家にとって、大きな大きな区切りとなります。
今年のお正月は本当に、心身ともにジャブジャブと洗われるような思いで過ごしました。
あらためて家族というのはいいものだなと感じたり、しかしそれが既にひとつのコミュニティではないことを噛み締めたり……
我が家の新しい時代は既に始まっています。
はい、左様なり♪
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