家族がまた膨らみ奄美での生活が厳しくなり、平成21年の9月から愛知県の接骨院に出稼ぎに行くことになりました。

実はこの時……
奄美を出る時に予定していた就業先のお話しが、愛知県に入ってから先方の都合でなくなってしまうアクシデントがありました。
しかし、そのお陰であの横山先生と出会うことが出来たのです。

慌てて愛知県内の接骨院から出ている求人を調べて、豊田市の接骨院よこやまに連絡をさせて頂いたのです。
すると院長先生が
「今日、会いましょう」
と言ってくれたのですがその日は予定があり、翌日に面接をして頂けるようにお願いしました。
それでも横山先生が
「今から一時間後にはそこに行きますよ」
と言われる、その口調も含めた勢いに惹かれて予定を変更し名古屋駅内の喫茶店でお会いしました。

それが始まりでそこから平成23年の8月まで丸々2年間、お世話になりました。
自分が奄美を出て働くことで生活も安定し、そして長いこと別々に暮らしていた母親と子供達のコミュニケーションもとりやすくなるのではと思ったのです。

ですが田舎で生活したことのなかった彼女は、やがてしきりに島を出たいと言うようになりました。
それならと平成22年の年末に奄美に帰った時に、三つ子の学校のこともあるから年度末にまた引っ越しをしたらどうだと話をしました。

横山先生が経営する訪問介護部門に美奈子さんが面接に来たのは翌年の年が開けた頃です、その時に自分もたまたま立ち会うことになりました。
面接の時には話すこともありませんでしたが、横山先生主催の飲み会で意気投合したのがきっかけでその春に結婚することになったのです。

接骨院よこやまでの二年間は、ほぼ休むことなく日曜も祝日も仕事をしました。
横山院長は最初の印象の通りに仕事に関しても男としても熱い方であり、側で様々な勉強をさせて頂きました。
また柔整師としても充実した仕事をさせて頂き感謝の念がたえません。

そして我が家は生活の場を小豆島に移し、二年を過ごした後に久し振りに古郷岩手に戻ることになります。
美奈子さんとの結婚生活も、それと同時に終わりになりました。



それから更に二年後、不思議なことに佳美さんも美奈子さんも吾輩も関東にいます。
美奈子さんとはもう連絡の術もありませんが、たまにお仕事で一緒になります。
あまりお話することもありませんが共通の友人は多く、子供達も明るく元気に育っている様子を聞き有り難く思っています。

佳美さんは相変わらずで、今でもたまに話が噛み合わず会話をしていると不穏な空気が流れることもあります。
それでも毎日ラーメン屋さんで頑張って働く姿を子供達に見せてくれていますし、上の子供達にも時折連絡をしてくれているようです。

まだまだ気掛かりなことも多くありますが、吾輩の直接的な子育てはそろそろ終盤に差し掛かっております。

ここまでは本当に愉快な人生でした、ここからもやはり愉快な人生になることでしょう。

次のステージが楽しみです。



はい、左様なり♪

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