大和村大棚地区に着いてバスから降りると
子供達は
「わーっ」
と、歓声をあげながら波打ち際まで走って行きました。
小学校1年 都美(ととみ)
小学校2年 詩美(うたみ)
小学校3年 源志(げんし)
小学校4年 柔美(よしみ)
小学校6年 武志(むさし)
中学校1年 熱志(あつし)
中学校2年 新志(あらし)
中学校3年 愛美(まなみ)

初めて見て初めて触るサンゴの欠片に興奮して拾い集めたり、大きな貝殻を見つけてはしゃぐ子供達を見ながら
「やはり越して来て良かった……」
こんな些細な光景にもそう感じるほど、いま思えば実は不安もあったのでしょう。

大棚での生活はまず旧公民館から始まりました、お借りした家を修復する間の寝泊まりの為にお借り出来たのです。
そこから通っての大工仕事の毎日が、半月ほど続きました。
その間……
子供達も遊ぶことなく、畳を綺麗にしたり障子を張り替えたりと手伝ってくれました。

区長さんや大家さんを先頭に、集落の方々も我が家に本当によくしてくれました。
折に触れ声を掛けて頂き、我が家も集落の行事には遠慮無く参加させて頂きました。
何も知らないので島の踊りの練習がある時には、家族全員で毎晩必ず参加しました。

奄美における数年間の生活は……
我が家の歴史においても本当に有意義な、そして様々なことを教えて頂いた日々です。
奄美の方々の島に対する想い、子供に対する想い、そして何よりもコミュニティとしての力強さがあります。
今でも、また子育てをするなら奄美大島で育てたいと思っています。

あんなに、人と人の繋がりについてしっかりと身に付けさせてくれるところはありません。
子供達も奄美大島への思いは強く、七人の子供が奄美高校に進学しています。
ですが……
その奄美大島の大和村大棚に四年間住まわせて頂きましたが、そのあと愛知県の豊田市に出稼ぎに行くことになります。



はい、左様なり♪

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