歌舞伎町のclubA.C.Tは……

身も引き締まる寒さの中を御来店頂くお客様をお迎えし、温かい気持ちでお帰り頂けますよう誠心誠意心掛けております。

昨夜も、吐息の白くなる厳しさの中を御来店頂きましてありがとうございます。

clubA.C.Tに出勤させて頂くようになり半年になります。
仕事柄なのか御時世なのか……
このわずかな期間の中で、ホストの面々も次々と変わりました。
懸命に頑張りながら結果が出せずに、しかし辞めていく時にはキチンとした経過をたどり挨拶の中を消えていく人もいれば……
ホストとしての資質充分に見えて延び盛りの中を、ある日突然連絡がとれなくなってしまう人もいます。

いずれにしろ……
また会う可能性はもうかなり薄いのかなと思うと、わずかな時間とはいえ「仲間」として過ごした身としては少なからず切ないものがあります。

「最近見ないな」
と思い、そのホストのことを尋ねて昨夜もしんみりとお客様の御来店をお待ちしていました。

テーブルにつくこと二組目は、札幌から来たという女性お二人の席です。
札幌と聞いて……
昨年暮れに同市を訪れ、しんしんと降る雪の中を黙々と歩いたことを思い出しました。


「札幌はやっぱり寒いですか」
「はい……でも、東京も寒い……」
一言目から北国生まれのふんわりとした空気を漂わせながら、お二人は同意を求め合うように互いの目を見ました。

会話がすすむうちにお一人がドンピシャの誕生日当日であることがわかり、A.C.Tの吾輩の名刺にモグラの絵とお祝いのメッセージを描かせて頂きました。

その間も年末の札幌訪問への回帰が、頭の中を薄っすらと舞う……


忙しい日々の中で奮起して渡道の決意をした過程は、それがそのまま実行した意味でもあります。

「これどうぞ」
何かの流れでお客様からキャンディーを一個頂きました。


「これは魔法のミルキーなんですよ」

「ミルキーなんだ……」
何を以て〃魔法の〃なのかは解らないが、確かに自分が知っているミルキーとは包み紙から違います。
「ありがとうございます、お仕事が終わってから頂きます」
と言ってポケットにしまいました。

やがて業務が終了しミーティングも済み、諸先輩と内勤の方々に挨拶をして店を出ました。

外は相変わらず肌に突き刺さるような空気で、一気に冷静な自分に戻っていきます。

始発までの三時間を考えると、足はためらわず馴染みの漫画喫茶に向かっていました。

これまたいつもの「黄昏流星群」を手にして席についた時にふと
「魔法か……」
そう思い出してポケットに手を……

包み紙を開くと真っ黒なミルキーが現れ、なかなか興味をひく展開ではあります。
「舐めているうちに白くなるとか、そういうことなのかな」
しかしそこへの興味よりも、酔いざめで水分を欲する身体は同時に甘さよりも塩分を要求します。

また包み直してポケットに戻すと熱いオニオンスープを飲みながら本をめくり始めました。
やがて睡魔の予感に口をすすぎ直し、再度手にした時は何ページもめくらず深い眠りへと落ちていったのでしょう。

七割の意識で目が覚めた身体を、歯磨きで全割覚めさせて漫画喫茶の外に出ました。

「このタイミングだな」


包み紙から取り出すと今度はためらいなく口に放り込みます。

見た目は違えど記憶にハッキリと刻み込まれているミルキーの甘味が、ほどよく疲労感が残る身体に優しく広がっていきます。
一緒に心まで柔らかくなったのか、唐突に
「A.C.Tを辞めていった連中も、どこかで頑張って行って欲しいな」
なんて思ったり……
「また札幌に行ってみようかな」
なんて思う自分に笑えて来ました。


ちょっとだけ、魔法が効いたのかも知れませんね。


はい、左様なり♪

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