子育て日記12

自分は11人兄弟の10番目の六男で、兄が五人姉が四人いて下に妹がひとりいました。
今でこそ親はさぞや大変だったのだろうと察しもしますが、子どもの頃はとにかく迷惑ばかりかけていましたね。

親の気持ちは親になってみなければ解らないと言われれば
「それはそうだろうな」
と、知識としての理解は出来ます。

しかし、染々と実感するのはやはり子どもが出来てからですね。
最初の子が生まれた時に母親から言われたことは、あとあとズシリと胸に来ました……


「毎日三度の食事を与えることが、親として最低限やらねばならないこと」
なんて言われても、当たり前すぎて始めはピンと来ませんでした。

ですが母親からそう言われたことで、何があろうとも
「でも食事だけは抜いてない」
と思って踏ん張れた時期がありました。

子育ては各家庭により様々な形があり千差万別です。

多くの習い事や塾に通っている子どもの中にも、常に向上心をもっている子もいれば仕方なく通っている子もいるでしょう。
子どもの教育費を余裕をもって捻出出来る家庭もあれば、そうではなくても優先順位を上げてまで頑張っている家庭もあると思います。

子どもにしてあげられることも、家庭により方針により違うものです。
それでも「三度の食事」を欠いてもしなければならないことは、確かにありません。

母親には
「立派な親になろうと思うな、いずれ子どもが成長すれば解ってしまう」
みたいなことも、言われました。

そこにもたどり着くまでには時間が掛かりましたが、母親に言われなければもっと先になっていたかも知れませんね。

「総理大臣にしようと思って育てて、総理大臣に出来るなら子育てなんか簡単なものだ」
というような趣旨のことを岩手県の県北訛りで、諭すように静かに語っていた母親の声が耳に残る……

もうそろそろ一区切りになる吾輩の子育てがどう映るか、大正生まれだった母親が生きていれば是非聞いてみたいものです。

はい、左様なり♪

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