世界卓球を観戦しながらのワイン、あまりに愉快すぎて二晩続けてしまいました。
前夜と違うのは、ちゃんとグラスで呑んでいることとワインが五百円から足が出たことです。


このアカダマには、数々の思い出があるんですよね。

元来お酒が弱いことが学生時代からコンプレックスで、
「酒も飲めないのか」
なんていう諸先輩の言葉に、人一倍傷付いていた頃があります。
お酒を飲んでいて気持ちがいいという時間がなくて、酔いはじめると同時につらくなるばかりで……

それでも日常には結構やりきれないこともあるので、気分のいいお酒で発散出来る連中が羨ましくもありました。
そんな頃に唯一、酔いつぶれるまで飲めたお酒がこのアカダマワインだったんです。

「あの時は一本空けたな」

という忘れられない記憶が、ポンポンとまず二つは浮かびますね。

あれから二十年、久々に一本空けてみようと世界卓球をツマミに飲みはじめると……
「あれ、甘すぎるな」
確かにあの頃は、甘くてお酒らしくないから飲めたのかも知れないが
「それにしても甘すぎる」

しかし間違いなく懐かしいその風味は、感傷に浸るには充分です。
磐石な世界卓球の展開を見つめながら、ついには一本空ける時が来ました。


その時にふと気が付いたのですが、森さくら選手のヘアピンが何気に吾輩のネックレスとプチペアなんじゃないですか。



いや、なんか嬉しいですね。

アカダマが甘すぎるのはやはり、お酒が飲めるようになったからかも知れませんね。
一本空けただけではもう、あの頃のようには酔えなくもなりました……

はい、左様なり♪