まさか、こんな場面が自分の人生にあろうとは思っていませんでした。
「じゃあ、勝負しましょうか」
かなり酔っていたとはいえ、よくこのひと言が口から出たなと我ながら思います。

  自分の目の前にいらっしゃるのは、みちのくプロレスのザ・グレート・サスケ氏である。
「わかりました、では勝負しましょう」
長期療養からの復帰戦を数時間前に終えたばかりの氏であるが、その眼光は穏やかな中にもあくまでも鋭いものが……

  思えばこの時すでにゴングは鳴っていたのかも知れません。




  この勝負はなんとしても勝ちたい、勝てるとすれば運しかないのだから
「あらゆる運と交換してもいい」
切実にそう思いました。
  そして、お互いの手がスッと動き…



  「ジャンケンポン!!」
サスケ氏:チョキ
  清志  :パー

  完敗でした。
事の発端は、餃子の最後の一個を譲り合ったところからです。
「あのサスケさんに勝ったんだよ」
って、息子や娘に自慢したかった…