三男坊がまだ小さかった頃に、彼が持って遊んでいたオモチャを
「貸して」
そう言いはしたものの、同時に勢いよく取り上げた子がいました。
その子は我が家の三男坊より、少し大きい子でした。
「うわっ」と思ったがそのまま見守っていると、三男坊は両手を万歳するようにその子に向けて
「どうぞ」
と言ったのです、これは衝撃的でした。

  シーンとしてはよくあることなのですが、この場合は大概小さな子が泣いてしまうものです。
というか、それ以外の展開があることが意外過ぎます。
  とても不思議な光景に見えました。




  その後も、同じような場面を見たことがあります。

  一方、自宅でも素直が取り柄の武志は
兄貴二人によくこき使われていました。
ある日、次男が指示したことをミスしてしまい
「本当に使えないな、お前は」
と言われていたことがありました。
その時に武志が
「それは違うんじゃないんすか、熱さん普段俺をどんだけこき使ってんすか」
と言ってるのを聴いて感心しました。

  我輩自身も六男で育ち、兄貴には随分理不尽な扱いも受けましたが……
いつも力に屈してましたね。