PK2発で名古屋グランパスが暫定首位(その1) | Purely Belter

PK2発で名古屋グランパスが暫定首位(その1)

長く険しいJ1への道…今季のJ2は週ごとに首位が入れ替わる激戦となっています。今日は第16節のうち5試合が行われました。注目はニッパツ三ツ沢球技場で行われた横浜FCvs名古屋グランパスの一戦。ここまで上位をキープしているチーム同士の対戦です。


■首位を明け渡すも好調をキープする横浜FC
J2を制した2006年シーズンから早12年、2012年シーズンこそ4位に入りましたが、ここ数年は中位にとどまっています。昨季は序盤に躓くも、終盤に順位を上げて8位となりました。今季は11シーズンぶりのJ1復帰を目指します。

中田仁司監督体制となって2シーズン目。今季の横浜FCは、開幕から好調をキープしています。第9~14節まで6試合負けなしで一気に首位に浮上。第9節からは3試合連続で4ゴールを記録しました。前節はファジアーノ岡山に2-1で敗れ首位の座こそ明け渡しましたが、攻守両面で安定した戦いを披露しています。

好調の原動力となっているのがFWイバ・ラーヤブ選手、ここまでリーグトップタイの9ゴールを挙げています。イバ選手はノルウェーのクラブを渡り歩いた後、2015年シーズンに中国の河北華夏幸福足球倶楽部へ移籍。昨季から横浜FCでプレーしています。フットサルのノルウェー代表でもプレー経験があるという異色の経歴を持つ選手です。

■風間体制1年目…苦しみながらも勝点を積み重ねる
昨季は思うように勝点を積み重ねることができず、初のJ2降格となった名古屋。それに伴い、メンバーも大幅に入れ替わりました。元日本代表DF安田理大選手、MF扇原貴宏選手、FW永井謙佑選手、川又堅碁選手といった主力選手がチームを去り、一方で元日本代表FW佐藤寿人選手、玉田圭司選手らが加わりました。

J2の中ではトップクラスのタレントを揃える名古屋。勝点こそ28を積み上げていますが、内容面では少し安定感を欠いている印象です。ここまでの黒星は3つ。第13節には昇格チームである大分トリニータ相手に4失点を喫しました。前節は愛媛FCに1-2で勝利しましたが、ヒヤリとするシーンもありました。

今季よりチームを率いるのは風間八宏監督。2012年シーズン途中から昨季まで川崎フロンターレを率い、昨季はリーグ年間3位、天皇杯準優勝という成績を残しました。パスを繋いで相手を崩すのが風間監督のスタイル。その完成形に近づくにはまだ時間がかかりそうですが、1年でのJ1復帰は至上命令…暫くは内容よりも結果を優先することになるでしょう。

■両チームともエースがスタメンに名を連ねる
この試合に臨む横浜FCのスタメンは以下の通り。GKは高丘陽平、DFは新井純平、渡邉将基、カルフィン・ヨン・ア・ピン、田所諒。MFは野崎陽介、佐藤謙介、中里崇宏、小宮山尊信。FWはイバ・ラーヤブと津田知宏の2トップとなりました。ベンチにはGK北野貴之、DF西河翔吾、MF寺田紳一、ジョン・チュングン、増山朝陽、FW中山雄希、大久保哲哉が入りました。

一方の名古屋のスタメンは以下の通り。GKは楢﨑正剛、DFは宮原和也、櫛引一紀、洒井隆介、内田健太。MFは玉田圭司、ワシントン、田口泰士、和泉竜司。FWはロビン・シモビッチと杉森考起の2トップとなりました。ベンチにはGK渋谷飛翔、DFシャルレス、MF八反田康平、青木亮太、FW佐藤寿人、押谷祐樹、杉本竜二が入りました。

横浜FCはイバ選手、名古屋はシモビッチ選手がスタメンに名を連ねました。両選手とも長身を活かしたプレーが印象的ですが、チームにおいて担う役割は少し異なります。イバ選手は前線でロングボールの基点となります。一方のシモビッチ選手はグラウンダーのパスを受けて次のプレーに繋げます。ただ、ゴールを期待されている点では同じ。両選手の活躍に期待がかかります。

名古屋のゴールマウスを守るのはGK楢﨑選手。4度のW杯を経験したベテラン守護神は、まさにクラブのレジェンドです。4月に41歳となりましたが、ここまで年齢を感じさせないプレーを披露しています。ところで、楢﨑選手は嘗て、三ツ沢球技場を本拠地としていた横浜フリューゲルス(1998年に消滅)でプレーしていました。楢﨑選手にとっては思い出の地での試合となります。

先月のリーグ月間MVPを獲得したイバ選手。ゴールを量産してチームを牽引する。