Newアルバム「ジャム」の感想(消化途中)や、露出のあれこれ、丸ちゃんベーマガおめでとう等々、諸々渋滞中ですが順番通りに行きましょうそうしましょう。
先週中、俺節の観劇メモをここで書いたのですが、プレビューしてから戻るボタンを押したら記事が飛んでしまいました…涙
そこそこ長文を書いたので、しばし立ち直れず。気を取り直してまた一から書きます。
「俺節」
東京公演 2017年6月17日 13:30~ TBS赤坂ACTシアター
公式HPと少々の記事を読んだだけで、原作&ネタバレ感想は読んでませんでした。
漫画の描写の線数が多くて、劇画タッチで、もっとこう…「俺!」な主人公を想像してたんですけどね。
俺 ="I"(アイ)、一人称の強さ、俺の歌を聴けェェェという自我バリバリの。
実際の「コージ」は、おどおどしていて、いっつもこうなんだべさって自分の運のなさを嘆いていて、首を丸めて背中も小さくて。
冒頭、どえらい寒そうな気候表現の、北国の様子。
(ホリゾントに雪、深々とした粉雪ではなく、水分の多い海雪って感じの投影がされている。以降、場面の切り替えなどで、"ここは どこ"という状況説明の投影がされるので、テンポの速いお芝居だったけど、わかりやすかった)
祖母が借金取りに利息分だけを手渡しで返す。おばあちゃん、それ過払い請求したら借金戻ってくるよ絶対、的な相手に。
人気のない小さな駅のプラットホーム。小さなボストンバックを抱え込むように、小さく縮こまっていた孫に、吊るしのスーツを手渡す祖母。
東京で馬鹿にされないように
お前に友達もづくってやれなかったから
せめてものはなむけにと。
ここまでのバリバリの津軽感から、一転、華やかな東京へと舞台は移る。
そこに出てくるのは、景気のいい東京という街で、その当時の世俗にまみれたような連中。
周囲の標準語をよそに、コージは独自の訛りで大物演歌歌手に弟子入りを懇願する。
え?何て何て?と聞き返したくなるようなコージの話し方。単純に聞いている側からしたら不明瞭であることに、「!」って思う。
口調自体は、子供っぽさが残っている感じ。
俺には歌しかねぇから
ここでもまた「!」と思った。歌をやりたい!のニュアンスが自分の思っていた路線と違っていたこと。
え~~~と、説明不可なので省略(爆)。
歌手を目指して上京してきたのは、もちろんそうなのだが。
誰も相手にしない。
と思ったら、ギターをかけた☆マークTシャツの男。ビーサン履いてる。
オキナワとの出会い。沖縄出身だから、オキナワ。この上なく分かりやすい南国出身のテイ。コージと正反対。
みれん横丁、ドヤ街ということであったが、やはりモデルは新宿のしょんべん横丁のことか。そのあとの生活範囲がそっち系だったので。
テレサがやくざに追われて迷い込んで来た。違和感バリあり。
チェルノブイリのくだりがあったので、1980年代後半のよう。
どんどん登場人物が増えて、コージもみれん横丁の洗礼にあったり、テレサとの出会いや何やら、非常にテンポよく進み、舞台上の演者一人一人の動きが細かくて、舞台ならではその場から発せられるパワーがすごい。
こちらは、客席でただ前面を見ているだけだから、表情の一つ一つを伺う事はできない。
その動きから生じる"生きている"感じそのものがパワーとなる。
マイクを持つと、うまく歌の魂を自分の中から引き出せない。
自分の歌にならない。
コージの歌に関与する人々が、口をそろえて言う。
「スキマだらけ」
不思議とコージの周りには、立ち行かない寂しい想いを抱えた人物が集まってしまうようだ。
テレサが不法就労している場所でのやりとり、北国の春を知っているテレサ、その歌止めて!という仲間。
故郷は帰れないから、故郷なんだよ(ニュアンス)
そんな思いで「北国の春」を聴いたことなかったから、ハッとしてしまった。
テレサの役どころ、そこがコージの純情魂に火をつける。
競りの場面では、笑いを込めた面こそあるけど、あれは辛い。
「命くれない」が自然にコージの中から出てきた時、客席側の階段の下から手を伸ばして、テレサの手を求める。
その時は、背中越しに聴いているわけだけども、もう死んじまうんじゃねーかという位に、こもってるんですよ。もはや念の域に達するぐらいに。
背中といい、伸ばした手といい、汚れなきコージの気持ちが痛かったです。
マイクを持ってない状況で、自然に魂がこもる。
歌手を目指しているコージにとって致命的なハナシ。
オキナワと演歌二人組でデビューする(つもり)…のはずだけど、なんやかや大人の思惑で、コージピンでのデビューの話が舞こむ。
ここでは、絶対それ詐欺られてる!と思ったのですが、デビューの話は本当のよう。
離れていくオキナワ。
へたへたとしゃがみ込むコージ
「へばな~。。。」
このへばな~でキタね。だいぶ。
へばなって、津軽弁でバイバイ的な意味だと思うんだけど(スマスマのコント"上京物語"を見ていたから知ってる笑)
また会う事を前提にしたサヨナラの挨拶。
だけどオキナワとはもう会わない、会えない。相棒との関係もココまでと。自分の中の優しさというか曲がり切れない純朴さが仇となって、コージを苦しめる。
そもそもデビューの話は、尾ひれつきで、元女性アイドルと組むことが条件となっていたようだ。ほれ見たことか!と思ったけど、この女性アイドル寺泊行代がまた、コージの女版(の年数経ったafterの状態)で、後半からグイグイくる存在で。
歌のレッスンに通うコージが、思い直して東京風の歌手になろうとして、麻のスーツなんか買っちゃって(歌の先生大絶賛!オメガトライブみたいー♡って言ってて爆笑、つかオメガトライブ伝わる??笑)。
それ見て、行代「歌変わったね、前の方が良かった…ポツリ」と言い残す。自分を見てるみたいで…。
実は、元アイドル行代はプロダクションの社長戌亥とできている(あるある)。
できている…って書くと下世話だけど、ここもまた一途な女の想いと、歌をまた歌いたいと思うしがみつき感とがまた相まってもうもう、なのだ。
引っ越し会社のテーマソング&CMが決まったのも、自分のためではない。本当のところ。しかも裏条件まであって。
そのまた裏条件(行代ヌード写真集出版話)を知ってしまい激高するコージ。やっちまった!スポンサーぶん殴る!!やっちまった感、はんぱない。
同じころ、チンピラになりさがったオキナワもまた、苦しんでおり、もがき。結局、ほうきをギターに見立てて、歌を作ってしまう性に、逃れようのない運命を感じ、ふたたびみれん横丁へ。
みれん横丁での、コージオキナワ再開シーン。もう仲立ちしてあげたくなった。素直に受け取れよ!ここはひとつ!という感じで。
それでも、最後までコージのための楽譜を受け取らないで、くちゃっとして。バカバカバカ!
話は前後してしまうが、コージとテレサの夜。
トタン屋根が雨を返す音がリアル。静かな夜のテレサの言葉がつらい。そしてフラッシュバックのようなあの投影。怖かった。
テレサ、いい女だ。
演歌を地で行ってる。
入管に保護された後、もう一度コージの歌が聴きたいと願う。
もう一度、故郷に帰る前に…もう一度。
なぜか、それを後押しする出来事が起きるところが、引き寄せ感バリバリ。
光GENJIチックなアイドルの野外コンサートの前座の仕事。
コージ一人で。戌亥、悪いやつ風の、なんだかいいやつ風。
またしても、カラダの中から歌が出てこないコージ。
完全完璧超アウェーは、80年代ジャニヲタ軍団たちからギャースカ野次飛ばされる。完全萎縮。自分の歌を聴かせるところの騒ぎじゃない。
運命の再開。ジャニヲタにまみれテレサ。
「コージのうた、そんなんじゃない」
僅かの間だったが、身を寄せ合うようにして暮らした二人の本当の別れのシーンは、皮肉にもこんな大勢の中での場面。
刻々と迫る時間と、もじもじしているコージに、もうこっちが野次送りたいぐらいだ。志村後ろ後ろ!じゃないけど、コージ楽譜楽譜!よ。
オキナワも、そんな二人の最大の応援者だったから。
(てか、ぶっちゃけオキナワもテレサの事好きだろ?!そうだろ?そういう事にしよっ!)
「 安物だから壊れてもどってことねーよ(ニュアンス)」といって、ギターをコージに手渡す。
ちょっと、オキナワ!かっこ良すぎやしませんか?
。・゚・(ノД`)・゚・。
改めて、スタンドマイクの前に立つと空気が変わる。
気、が。変わる。
俺が俺と言う時は 俺とお前で俺だから
俺の俺節 お前節
ど、ど、ど、ど、ど…ド演歌っす!!!!!!!
(曲調とかの話じゃなく)
しかも、私の目がまだ確かなら…舞台の天から水が落ちてきていますが!
(完全ネタバレで挑んでヨカッター)
は?雨?って感じですよね。
なんでここにリアル雨が…。振るかね…。
最初、投影かと思ったんです。え?待って、違う違うホンモノーーー!と気付いた時の衝撃たるや…。
しかもしかも、途中でブチっと音がして、急に声が遠くなったんですよ。
それはもしや演出の一つ?と思うほど、その場の迫真の歌でした。
声が途切れても、まっすぐに前を見据え歌い続ける。
テレサにその想いをぶつける。
自然と体の中から湧き上がる歌で。
翌朝。みれん横丁。
横丁の仲間たちもコージの歌を生で聴いていた。自分の事のように喜んでいる。
新聞みてコージのってねー、他の新聞拾ってくる!みたいな(買わないw)。
夜明けのみれん横丁。背景がだんだん明るくなってくる様。
なんかねぇ、そこが、また来ちゃいましたね。
コージが…決して、歌手として大成したわけじゃないんですけどね。
迷っていたからから見えなかった道が、昨日を境に見えた。今なら目の前にはっきりと現れている…そんな清々しい表情で。
オチ的に「こりゃだめだ~」なんていう調子が見合いそうな場面なんですけどね。もうグッときちゃいましてね。。。
エンディング、キャスト大集合でむしろ一番崩壊だったかも爆。
場面場面の気とか、そして自分もすごく集中していたから、一気に緩むんですけど…。なんていうかね~~、映画で言えばエンドロール?的なものだけど。なんかよかった(…すんません、言葉が見つからないです)。
原作のことはほとんど知らなかったけど、原作への想いがそれぞれあるようなお芝居を見て、私も原作がもちろん見たくなったし、パンフレットにもツッチーこと土田先生の作品への尊厳が出まくっている。
それと、それぞれが持つ歌と人生模様みたいなものが良い。
ストーリーはとても分かりやすく、解釈に迷うところはなかったけれど、今から原作を読んだらもっとはまりそうな予感はガンガンしている。
パンフに特別に掲載された一話を見て、検索してしまったことは言うまでもない(笑)。
原画展も行きたかったなー。・゚・(ノД`)・゚・。都合により現場直行直帰になってしまったが。
安くんの演じるコージは、私の思ってたキャラとは全然違うもので(あのフライヤーのビジュアルにもなっている"やんのか?ゴラァ"っていう吹き出しがあってそうな麻のスーツのやさぐれぶり)、意表を突いたけども。
日照時間の少ないような地域の想定がすごくあっていて、言葉の発声にしてもなんにしても、内に秘めるじっとりとした気持ちみたいなものが、一気にバーンと表出する時の姿や気。
そんなものが、空気を通して後方にまで伝わってきました。
純朴なその様が時にはじれったくも思いましたし、カラダがひとつの音声発生器みたいな感じで、とにかく声量がすごかったし、動き一個一個で感情を露わにしていて。バカップルみたいなところも(笑)。
六角さんの流し役もよかったなー。ハッとする台詞いくつかあったよね。何千何万の曲を知ってる歌えるけど、一曲も自分の歌は知らないみたいな。
あと、高田聖子さんがめちゃくちゃ体張っててすごかった!流石舞台女優って感じの迫力で、後でパンフ読んでビックリしたけど祖母役もこの方だったのね。ばっちゃんからの、クリーミーマミ(笑)39歳、そして、実年齢はもっと実はいってること(笑)。素晴らしい…。
オキナワ役の福士誠治さん。オーボエの黒木くん(のだめ)っていう記憶はハッキリ持ってたんだけど、その前に知っていた役があったはずだったんだけど、にわかに思い出せなくて。調べたらまた新人の頃、昼ドラに出てて(貞操問答:2005年の運転手役)
あーーーっ!あのイケメン運転手かよおぉって思い出した(笑)。
声がすごく通ってて、ステキでした!イケメン!むしろオキナワこそ、私のほれる相手だった爆
今回、ご縁がございまして。譲っていただいたチケットで観劇することができました。ありがとうございますっ!!!!!!!
本当にいいお芝居を拝見することができました。感無量です。
お会いできた皆様も、今度またゆっくりとお話できたらと思います_(._.)_
「俺節」
カーテンコール含め、とても満喫できました。
もう一回見たい!!!!!!!