こんにちは。図書室の先生です。
前回、小中あわせて4校に勤務し、うち3 校で図書館ボランティアさんの受け入れが始まったことを書き、数年が経過し、少しずつ形になってきた点について書きました。
今回は、時々感じる「?」について、
学校司書が入る前から熱心に活動している読み聞かせボランティアさんについて感じたことを書こうと思います。
これから書くことは、個人的な見解を多く含みます。
違ったご意見の方や、実際図書館ボランティアに参加されていて「そういうつもりじゃないのに」と感じられる方もいらっしゃるかと思います。
あくまでも私の個人的な見解ですので、「こんなこともあるのか」と、さらりと読み流してくださるようお願いします。
近頃の学校は、地域と密着して運営をする機会を増やしているようです。
保護者だけに限定すると、平日の昼間に募集するボランティアはなかなか集まらないからなのか、地域の活動に熱心な、在校生から見ると祖父母かそれ以上の年齢の参加者を図書館ボランティアとして受け入れしている場合もあります。
この年代の方々は、大きな図書館の研修会に参加したり、学校の他に公共図書館のボランティアに参加されていたりして、かなり研究熱心で「みんなの役に立ちたい」という意識が高い印象です。
とある日、
何らかの学校行事の都合で勤務日が変更になり、
普段は私が巡回しない日に活動している読み聞かせボランティアの活動日と、私の勤務がかさなったことがありました。
その読み聞かせボランティアは、ひとつひとつの作品を暗記するほど読み込んでいて、頼まれた時間内にきっちりおさめて終わらせるなど工夫をされていて、生涯学習のイベントなどでお見かけした時に「凄いなぁ」と思った団体の方々でした。
話は変わりますが、
司書の資格を取るにあたり、
「読み聞かせ」についての単位や演習は、必修ではありません。
その一方で、
学校司書や、公共図書館の児童書コーナーの担当になると、
「読み聞かせ」は避けて通れないスキルのひとつです。
学校司書の仕事をしている方の中には、
特にこの「読み聞かせ」に力を入れていたり、
「読み聞かせをやりたくて学校司書をやっている」
という方も多いのではないかと思いますが、
私の場合、司書の資格を取ろうと思ったきっかけが、
「論文を書く時に、スムーズに図書館を使えるようになっていたい」
というものであったこともあり、
読み聞かせは好き嫌いで言えば嫌い。
そして今でも、苦手意識がずっとつきまとっていながら、お仕事として行うことが多いです。
(幸か不幸か、私の勤務校すべてで「読み聞かせ」だけはかなり盛んで、
授業の合間に時間ができると、先生方が率先して行っており、
たまにしかいない学校司書にわざわざ頼むのも面倒なのか、
ほとんど読み聞かせを頼まれることはありませんが。)
いつも図書室が読み聞かせボランティアの方の控室になっているところに既に私がいて、
少なくとも学校から「今日は司書さんが来ていますよ」くらいの説明はあったのではないかと思うのですが、
私が挨拶すると、
読み聞かせボランティアの方々は、ちょっと警戒するような様子をされました。
その日、どんな本を読まれるのか、ですとか、読み聞かせのコツや本の選び方などについて尋ねてみたのですが、
「読んだ本は、後で掲示してもらいますので、見ていただければわかりますよ」
と言われ、ボランティアの仲間だけでであれこれ話をして、時間が来るなり読み聞かせを行う教室に散っていきました。
なんだか「寂しいな」と感じましたが、これも私の勉強不足がいけないのかなぁ、とも思いました。
私の勤務している自治体には公共図書館がなく、
かろうじてある図書室には、長い間「司書」という職種の人はいませんでした。
そういう経緯もあって、「子どもたちに本の楽しさを伝えたい」と立ち上がった人たちに頼った形の読書活動が続いていたところに、
学校司書なる肩書の私が後から入ってきて、
何をする人なのかもよくわからないし、
ひょっとしたら今までの活動を否定されるのではないか、という緊張感があったのかもしれません。
もちろん私は、否定や批判などするつもりはありませんし、学校も、子どもたちも、読み聞かせボランティアの方々が来校してくれるのを楽しみにしていると思います。
「我こそはこれこれのことを長い間、熱心にやってきた。誰にも負けないくらいきっちりやってきたし、これからも誰にも負けない。」
たまたまその日出会った方から私は、こんな感じのメッセージを受け取ってしまいました。
学校司書と読み聞かせボランティアとで緩やかな繋がりを持ちながら読書活動に勤しみたかったのですが、
すぐには難しいかも、と感じました。
とりあえず私は、読み聞かせボランティアの活動の後、読んだ本の掲示物をチェックして、図書室内にない本を学校図書館に購入することにしました。
すると、読み聞かせが好きな先生方が気付いてくれて、子どもたちが貸出する時に「この間、ボランティアさんが読んでくれた本だよ」と紹介してくれたり、授業の合間に読んであげたりしている様子です。
その後、読み聞かせボランティアの方々と勤務日が重なることはなくなりましたが、最近「読んだ本リスト」の更新が止まっています。