『風と共に去りぬ』分析。
夜分、こんばんは。
昨日、通勤中に先日見た『風と共に去りぬ』の分析的解説が脳内で繰り広がれたので、シェアします。
実は私は全て見たわけでなく、レッドが戦いに行こうとして、スカーレットが引き留める、でも置いていかれた、という所から見ました。
荒廃した故郷で、絶望にうちひしがれる暇もなく、着のみ着のまま綿花作りを始めるスカーレット。
この時の塗炭の苦しみが、後にスカーレットをお金の亡者にしていきます。
似た者同士のレッドには言い寄られるも、彼女はメアリーの夫アシュレーにLOVEで、レッドとはケンカばかり。
お金目当てにレッドと結婚しますがいつもケンカ。でも、レッドはそりゃ献身的に彼女を愛し続けます。
メアリーが亡くなったとき、彼女が選ぶのはアシュレーなのか、レッドなのか、という感じです(だいぶはしょった。)。
結局、スカーレットが愛していたのは、自分の理想の道徳的で親切で聡明で愛のあるメアリーだったんだと思います(* ̄∇ ̄)ノ
だって、本当にメアリー、スカーレットを食ってたもん。
スカーレットは、感情的で利己的でわがままで、気ばかり強くて冷淡な自分のことが嫌いだったのでしょう。
(それは家族を守る力ともなりましたが)
だから、自分と似ているレッドに不思議な安心感を感じながらも受け入れられなかったんです。
彼女とレッドの子供、ブルーちゃんが亡くなったとき、彼女は『あなたは私から、ブルーを奪ったのよ!』とレッドを罵ります。
レッドは、『君の子供時代を見ているようで、とびきり甘やかしてやりたかった』と言います。
スカーレットの中にいる小さな少女の存在に、レッドは気がついていたのでしょう。
大きな愛です。
メアリーが亡くなったとき、スカーレットは急にアシュレーのことがどうでもよくなりました。
なぜか?
簡単です。
スカーレットがアシュレーを愛していたのは、メアリーの所有していた玩具を欲しがるのと同じことだったからです。
メアリーの、だからです。
メアリーが亡くなった今、それはただのガラクタだったのです。
彼女はそこで、初めてメアリーの呪縛から解き放たれます。
何もかも失って初めて、自分の気持ちと向き合います。
そして、レッドへの愛にようやく気がついたのでした。
それは、スカーレットにとって、ようやく自分を受け入れられた、ということでもありました。
誰にでも、受け入れられない自分というものがあると思います。
なんで、あんなこと言っちゃったんだろう、とか、やっちゃったんだろう、どうして、あの人みたいになれないんだろう、みたいな思いです。
そんな思いに取りつかれた一人の女性の心理的革命、それがこのストーリーの肝であり、だからこそ、それが現代を生きる私たちの心を今なお、わしづかみにするわけです。
え、されない?
そういう人は幸せな人です。
私はされましたね。
で、生きるって、どうしようもない自分を受け入れていく過程なのかもしれないな、なんて思うわけです。
では、おやすみなさい。(* ̄∇ ̄)ノ