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No Day But Today

11月27日無事に千秋楽を終えることが出来ました。

一日も早くお客様に感謝の気持ちを伝えたいと思いながらも、ブログを書くとレミゼラブルが本当に千秋楽を迎えたという感じがして淋しくなりそうで笑
明日書こう明日書こうと先延ばしにしてしまっていましたが、今日は書きます!笑
長いので、覚悟して読んでください笑。

思い返せば、2011年震災が起こった年にこの「新生レ・ミゼラブル」のオーディション情報が私達の下にやってきました。

震災で大きな被害を受けた東北の方達が、もう一度立ち上がり、新たな一歩を力強く踏み出す姿にいつも勇気をもらっていました。

新生=新たに生まれ変わる

この「新生」という言葉が、未来へ力強く向かうべき私達へのメッセージのように感じ

今こそ、戦いのとき。
今こそ、新たに熱い命が始まるとき。

そう確信しました。

中学生の頃から夢見たレ・ミゼラブルのエポニーヌ役。

夢を追い続けて、何度も失敗したり転んだり、悔しくて泣いた日々、不安で逃げ出したいと思うこともあった。レ・ミゼラブルのオーディションのチャンスが過去2回訪れたがどちらも不合格。

それでも、夢をみつけたあの日から走り続けて来れたのは、見つけた夢が絶対に素晴らしいものだと信じていたから。

そして10ヶ月に渡るオーディション。
今考えると公演期間よりも長い笑
でもその10ヶ月間に得たものは本当に大きかった。
大袈裟かもしれないけど、私にとっては運命の分かれ道。それくらい夢を懸けた戦い。
オーディションを受けて行く中で、演出助手の鈴木ひがしさん、音楽監督のビリー先生、歌唱指導の船橋先生、制作の方達に出会い、情熱と愛を持った素敵な方達と絶対にこの作品を創らせていただきたい!という思いが更に背中を押してくれました。

思いが強くなりすぎてしまった私はいつの間にか歌い上げていたらしい…

「調理された歌を聴きたいんじゃない。
あなた自身という素材を見せて。」

ある方にそう言われたのを今でもよく覚えています。

そして最後のオーディションから、待ち続けたお返事。。
「アンサンブル」として出演させていただくことが決まったのは2012年9月21日。
日本からの電話を受けたとき、私は丁度ニューヨークのBroadwayを歩いていました。
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タイムズスクエアに沢山の人がいることも忘れてこの有様…笑。
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ニューヨークで通っていた学校の先生や友達もずっと応援してくれていたので、合格したことを報告し、2週間後には製作発表のために日本へ帰国。

そして
信じていた夢は、予想を遥かに超える
素晴らしい発見や刺激、感動と喜びの溢れる毎日でした。

お稽古の期間には
映画も公開され、本当にありがたいことに映画キャストの方達のイベントにもレミカンパニーで参加させていただいたりもしました。
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初めての歌稽古で、「一日の終わりに」を歌ったときの全身が感動に包まれた感覚が今でも忘れられません。

そして、憧れのレ・ミゼラブルから、
「自分はこれから、この代々受け継がれ多くの人から愛されてきた歴史ある作品を、新たに生まれ変わらせて行く大きな任務を担っているんだ」という強い思いに変わっていきました。

2月には本場ロンドンのスタッフが大勢来日し、どこにいっても稽古場では英語と日本語が行き交う毎日。
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言葉が通じない場面も多々。それでも作品に懸ける情熱や愛は言語を超えて分かち合えることを教えてもらいました。

そして2月、私にとってもう一つ大きな転機がありました。
稽古後にロンドンから来日した演出家のJAMESさんによって行われたオーディション。
そこで、「エポニーヌ役」を演じさせていただけるチャンスを頂くことができました。
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アンサンブル、そしてエポニーヌ。
あらゆる点からこの作品の中に生きることの難しさや深さに直面しながらも、そんな幸せなことはなく、喜びでいっぱいでし
た。

エポニーヌという
私が憧れつづけた一人の女性は
知れば知るほど
魅力的で、奥が深く、美しく、

舞台で生きれば生きるほど
課題の生まれる役でした。


つづく。