隆:今日さ……
○:ん?
声が震えて次の言葉が出てこない。
俺は…こんなに臆病だったっけ
隆:急いで帰る用とか…ある?
○:特に…ないけど…
隆:えっと……
○:……?
"一緒に帰ろ"その言葉が出てこない。
彼女の方を見ながらなんて…照れくさくて言えないから。
少し下を向いて、蜂蜜レモンが入っていた容器をぎゅっと握って言ったんだ。
隆:一緒に帰らない?
○:え…?
え…って事はだめなのかな。
そうだよな……そんなに仲がいいわけでもないのに……
それでも聞いてしまうんだ
隆:だめ……かな?
○:ゃ…んーん!正門で…待ってるね!
そう言って部室の方に走っていった彼女。
俺は馬鹿だから…そんな頬を赤く染めて走っていったら期待するじゃん。
そう思いながら部室に向かった。
臣:よっ、おつかれ
隆:あ…おつかれ
臣:なに笑なんかあった?
隆:えっと…帰り……誘った
臣:○○?
隆:うん…緊張したーー……
臣:隆二でも緊張すんだな笑
隆:緊張ぐらいするし笑
臣:まぁ…頑張れよ?
隆:頑張る…あー、先に正門で待ってよ
臣と話してたら弱音を吐きそうで…逃げ出すようにずつ部室をでた。
彼女とはクラスも離れてて会う機会がほとんど部活でしかない。
だから、彼女の制服姿をあまり見たことがない。
ドキドキしながら待ってると後ろから聞こえる声
○:…ぇ………ぁ…
何を言ってるからわからないけど楽しそうな声。
後ろを向くと楽しそうな彼女とさっきまで一緒にいた臣
隆:○○……と臣?
○:さっきそこであったの
笑顔でそう言う彼女を見て少し苦しかった。
なんで…なんでそんなに楽しそうな笑顔を他の人に見せるんだろう。
俺だけをみててほしかった。
付き合ってもないのにおかしいと分かっていたし、こんなに独占欲が強いなんて思わなかった。
それと同時に
臣:(頑張れよ)
そう俺を気遣って口ぱくしてくれる臣の事を悪く思うようで余計に辛かった。
帰ろうと誘ったのは俺なのに何を話していいか分からなくて、2人で無言で歩いた。
少し気まずくて、ドキドキして…すると彼女は
○:明後日大会だね
そう言った。
やっぱり俺らが話すことは、普通の高校生が話すようなことじゃなくてサッカーのことばかり。
隆:あー…うん
○:先輩達も…引退しちゃうね
隆:俺が部長かぁ…
○:隆二ならいい部長になると思う!
俺よりも自信満々に勢いよく言う彼女。
少し嬉しくて、少し照れくさかった
だから、俺は本当の事を初めて伝えたんだ
隆:俺は臣の方がいいと思ったんだけどなぁ
ずっと思ってたけど誰にも言えなかった事。
○:私は…マネージャーとしか見てないけど…
俺が部長に向いてる理由。
俺と臣なら部長や副部長なんて関係なく上手くやっていけると言ってくれた。
その言葉で自信がついたし、本当に彼女が好きだと…隣にいてほしいと思った。
だから、精一杯の勇気を振り絞って言ったんだ