こんにちは。Bibakoです。


うちの子供達は、二人とも現在は社会人です。

子供が学生の頃は、勉強させてシンガポールの受験に勝ち残らせることにしか焦点があたっていませんでした。

その先にある就職は、日本式に、日本風でいうなら、高学歴であるとできると思い込んでいました。

高学歴、つまり偏差値が高い大学、シンガポールだと、シンガポールの国立大学(NUS)などの国内の大学、或いは、海外でも、世界の大学ランクが高い大学を卒業していると、いい仕事に就けると思っていました。

でも、シンガポールでは、日本とは別の事情で、近年は、大卒でもかなり就職が厳しくなりました。


それは、シンガポールの大卒者は、日本のようにたくさんいるわけではないのですが、国の方針で、国内の大卒者を優遇するので、同じ大卒者でも、海外の大学の卒業者であると、少し分が悪い状況に現在はなっています。

また、新卒者のマーケットは狭く、企業側も、仕事経験がある転職者を好む傾向にあります。

それは、人材の育成にかける時間とコストをカットするためです。

ですから、インターンシップ制度を取り、できるだけ、会社で使えそうな人材を、学生から引き抜き、インターンシップの間は、安いお金でこき使えるし、学生も文句いえない立場なので、そこで、新卒者の採用を決める場合が多くあります。

それが、シンガポールの最新の就職事情だと、私は自分の子供達の就活を見て思いました。



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シンガポールでは、現在、国内の大卒であっても、思うようにいい仕事にも就けず、とりあえず、何でもいいので…と、タクシーの運転手になる学生がおります。

それは、シンガポールでは、タクシードライバーは、自分が使用する車は、有料ですが会社から個人で借りるシステムです。

タクシードライバーの方々は、わざわざ、会社の駐車場に行く必要がなく自宅で管理できます。

ですから、タクシーのドライバーになると、公休の時は、私用で車使えるとあり、車の購入が高くつくシンガポールでは、タクシードライバーになる方々も、それが一時しのぎの仕事であっても、いまは多くいるのです。


このように、シンガポール人は日本人とは違い、仕事も自分の得になるなら、仕事のやりがいや仕事に対するプライドなどは、あまりこだわらない人が多いのかも?しれません。





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さて、シンガポール人が一般的に言っている『いい仕事』というのは、どんな仕事なんでしょうか?


それは、給料や待遇が良い仕事という意味です。


シンガポールでは、現在でも、人々が仕事を選ぶとき、一番に気になるところは、給料です。その次に公休です。

シンガポール人と一緒に働いていると、仕事のやりがいや仕事に対するプライドは、皆無なのか?と思える事もあり、私からみると、シンガポール人の働き方は、自分の人生の中では比重が大きくないのかも?しれません。

日本人は、真面目だと思います。また、働き過ぎという方々も多いのかも?しれません。

うちの夫は、働き過ぎのシンガポール人です。でも、夫の目的はお金を稼ぐことです。そして、そのお金で、自分の好きな事をしたり、好きな物を買いたいという気持ちだけです。

商売がすきだとか仕事にやりがいを求めているのも、お金が伴わないなら、こんなにも働かないかも?しれません。

夫は、仕事のやりがい=お金なので、お金にならない仕事には、やりがいも興味もないと思います。

夫は日本人ではありませんから…。





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シンガポール人は、お金と待遇の条件に納得できると、傍から見ると『えっ?どうして?』と思える仕事を選ぶ高学歴の方々もおられます。

悪くいえば、大金が手に入るなら、危ない仕事も厭わない人種なのかも?しれません。





例えば、最近のシンガポールの国立大学の新卒者のエリートの卵が、就活がうまくいかず、タクシードライバーを仕事に選んでいる事も実際にはあります。

また、不動産や保険会社のような、ハイリスクハイリターンのコミッション制のセールスの仕事を好んで、それに就く高学歴者も多くおられます。

さらには、大卒のCAも…。

海外では、CAはあくまでもサービス業です。

日本では、CAだと、なんとなく、ハイクラスの職業のように言われていますが、海外では、日本ほど人気がある仕事ではありません。

シンガポールでも、CAは、いわゆるサービス業であり、大卒者にはあまり好まれる仕事ではありません。

ですから、大卒者でCAになる方々は、男女とも、日本とは違い少ないのは事実です。

でも、CAの給料は良いのは事実です。命がけの仕事ですから。

シンガポールでは、医者や弁護士、裁判官、パイロットやうちの息子のように航海士、警察関係や消防士も、比較的、給料や待遇は一般職に比べていい方だと思います。

シンガポールでは、CAはサービス業ですので、同じ命がけでも、専門職のほうが高級待遇になると思います。一般の仕事の中では、CAはダントツに給料は高いのかも?しれませんが、専門職の方々と比べると、命がけには変わらないので、給料面で、その中では、CAは損かも?しれませんね。

ですから大卒者は、普段希望しないCAの仕事も、就活がうまく行かないと、CAを考える生徒がおります。

それは、専門職でないので、希望して努力すれば、誰もができる仕事です。それに、少し自分の身体へのリクスは高いけど高い給料が目的で、選ぶようです。

日本とは、ずいぶん、CAに対するイメージが違うと私は感じます。

しかしながら、シンガポールの航空会社は、縁故就職がかなり幅を効かせているらしいんです。

因みに、シンガポールの航空会社は、半官半民的で、SIA一社のみです。ですから、コロナでも、タイ航空のように、経営破綻は、SIAにはないと思うので、安定した会社であることは間違いないと思います。

これは、噂ですが、SIAのCAは、容姿がいいと学校の成績が悪くても就職しやすいらしいですし、縁故でも、容姿端麗の無縁故の方々には、負けるらしいですよ。

どうりで、SIAのCAはスタイルバツグンの美女揃いですね。ラブラブ


それはともかく、うちの娘でも、就職うまく行かなくなると、CAになろうか?と言う事もあります。

でも、娘は大卒ですが、娘の場合は、サービス業に向いている性格とは思えず、もし、娘がCAになると、彼女の性格の関係で、お客様が気を遣う、ヤンキーCAになるかも?爆笑爆笑爆笑

なんせ、夫の血をひく娘ですからねぇ…



あと、シンガポール人の新卒者でも、あまり、就職に苦労しないのは、専門職の方々です。

うちの息子も、航海士(ナビゲーター)という、専門職の資格保持者です。ですから、新卒者でも、高級待遇が保証されており、彼は日本語もできるので、日系の大手船会社に就職しております。

でも、彼は進学校出身ですので、同級生には、NUSなどのシンガポールの大学生、シンガポールでは、男の子は兵役の関係で、24-26歳で大卒になります。ですから、彼の友人は、優秀な大学生ですが、就職は保証されていません。

息子は、要領よしおさんなので、学校の勉強はそこそこにしておいて、進路を大学進学から、シンガポール国立の商船学校(SMA)にして、JCを中退しました。そして、SMAに入学し直して専門職を目指しました。

すると、就職も向こうから、高級待遇でやってきました。

ですから、シンガポールの新卒者は、日本とは違い、専門職でなければ、転職者にも負けてしまうようなマーケットといえるのかも?しれません。



あんた、縁故あるんやってなぁ〜!ずるいやん!



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さあ、今回の本題のシンガポールの就職事情ですが…。

シンガポールは、もともと、就職事情が変わっています。

日本とは違い、新卒者が一斉に就職するわけでないです。

それに、企業側も新卒者の採用を歓迎していない事も多くあります。

それは、シンガポールは転職当たり前で、『ジョブポッピング』といって、シンガポール人の頭には、常に、仕事は待遇がより良い職場を求めますので、常に人は移動します。


因みに、教職でも、一番短い雇用は、1学期のみです。

シンガポールは1月入学で4学期制ですので、教師の場合、3ヶ月勤めると辞めても良いコントラクトになっている先生もおられます。

私はコントラクトが長く設定されており、辞める時期も、半期か学年末という具合に厳しいものです。

でも、私にとっては有難いです。よほどの事がない限り、途中解雇はないと思いますので、自分が辞めると決めた年まで働かせてもらえます。

ましてや、コロナ渦ですので仕事がある事が有難いと感謝しなければなりませんから。


話が反れましたが…


シンガポールの就職事情は、転職者に有利であって、また、企業側も人を育てる手間が省けるので、キャリアや仕事経験がある方々の途中採用を好みます。


ですから、娘の場合、海外の大学で、なんの縁故もなく、就活をしても、なかなか、仕事が決まらないのは、今のシンガポールの新卒者の傾向らしいです。 


海外では、学校を卒業するまでに、インターンシップといって、企業に見習いとして、働きに行かなくてはなりません。

そのときに、その会社に就職を決める場合も、シンガポールの新卒者の場合、よくあります。

娘の場合、UKの大学からロンドンでのインターンシップの話がなかったわけではありませんでした。

でも、その時、私はシンガポールで就職してもらいたかったので、反対してしまいました。

娘は、海外の大学に編入したとき、私が兼ねてからNUSを娘には希望しており、成績も足りていたのに、それを蹴ってしまったので、娘が就職の時は、私の望みを聞いてくれました。

でも、それが、娘を就職で困らせてしまいました。反省しています。


シンガポールでは、新卒者に対しては、企業側も、日本のように大量採用は聞いた事はありません。

ですから、入社式なども聞いたことは私はありません。シンガポールは、学校でも卒業式はあっても入学式はありませんから…。


シンガポールでは、中途採用が主流なので、入社は年中可能です。ただし、募集があればですが…


ですから、中途採用が盛んなシンガポールでは、毎日、どこか求人はあります。ただし、その仕事を選ぶか?どうか?は本人次第ですが…

しかも、中途採用であると、必ず、仕事の経験値が重要視されます。


私の場合も、シンガポールで教職につけたのも、教職は専門職ですから、教職の資格証明が有効になりました。

日本で取った教員資格ですが、日本語訳をして、日本大使館で証明書を発行してもらい、私が就職したときはそれが有効でした。

でも、今は、日本の教員免許は更新義務がありますし、それをしていない場合、どうするのか?よくわかりません。

私の場合は、20年ほど前の話ですので、当時は特に、厳しい規定はありませんでした。また、私の教師としての経験やスキルがあった事で、採用は簡単に決まりました。ラッキーだったと思います。

また、私は短大卒業でしたしシンガポールで就職など考えてもみませんでした。でも、運命のいたずらで、共稼ぎを強いられて働くようになったとき、専門職の証明書があって良かったと思いました。

さらに、経験があるとなると、シンガポールでは、私は就職しやすかったんですよ。

しかも、当時アラフォーで再就職ですよ!日本では、当時、私が再就職したくても年齢で無理だったかも?しれません。


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シンガポールでは、一流企業、名もない企業、いち並びで募集があれば、誰でも応募できます。

ただし、専門職はそのスキルを証明する『証明書』が必要です。専門職の就職は、そちら専門の募集が別にあります。

シンガポール人が就職するには、なんの縁故もなければ、新卒者はなかなか就職に苦戦するようにも思います。

それに、今は、全てオンラインになっており、もともと、シンガポールはITが、早くから社会に浸透していますので、求人は、昔は新聞、いまは、インターネットの求人サイトで、新卒者はそちらから探す事になります。


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娘は、去年、大学を卒業しましたが、実際には、おととしの10月には大学のコースを終了しており、卒業証明は大学から発行してもらっておりました。

去年UKで卒業式があったのは、娘は、おととしの10月で終了しましたが、卒業式は7月にありますので、おととしの時点では、卒業式典に参加できませんでした。ですから、去年の7月に、卒業式典のみに参加するために、再びUKを訪れました。

ですから、実際には、娘は、おととしの11月頃から、シンガポールで就職しておりました。

その時、以前にもブログに書きましたが、私はシンガポールの就職については、無知で日本人頭でしか考えておりませんでした。

また、夫が自営なので、夫も企業への就職の仕方がよくわかっておりませんでした。

すると、世の中は甘くありませんでした。

娘は思ったところには、全く就職できませんでした。ガーンガーン

そして、致し方なく、大学で学んだ事とは全くの畑違いの職業に就きました。でも、半年で程で辞めてしまいました。

そして、少し、プータローをしていて、また、別の仕事に去年の9月頃から転職しました。

こちらも、今年の1月に辞めました。これは、コロナには、関係なかったのですが…。

二度目の職場は、イベント関連の仕事でした。今となっては、辞めて正解だと思います。いま、イベント関連はシンガポールでは、まだ解禁になってませんから。


初め娘は、喜んで通いましたが、途中で、同じ部署にあとから入社した社長の親戚の女の子が自分よりも、高いポジションでいきなりやってきました。

仕事のスキルもないのに、娘よりポジションが上で雇われ、娘よりも学歴も低いのに待遇が他の人と違いました。

縁故と世襲を目の当たりに見た娘は、落胆しました。

また、その会社では、縁故や世襲当たり前で、それに値しない従業員は、腹を立てて辞めるので、人の出入りが激しい職場でした。


娘は、初めは、世襲も縁故採用も我慢しておりましたが、だんだん、やめた人の仕事まで自分の仕事になり、給料は上がらないのに、会社ではこき使われるようなりました。

娘は会社に抗議しましたが、だんだん面倒くさくなったらしく、他の人とタイミングを合わせて辞めてしまいました。


シンガポールの問題点は、社会のシステムとして、労働組合がない国です。

それの先駆者的な機関に『マンパワー』という物がありますが、こちらは、あくまでも、低所得や失業者のためのサポートが中心なので、現在、企業で働く人のサポートにはなりません。

シンガポールは、ブラック企業アルアルなんですが、娘を見てわかるように、会社や他人からの理不尽に対しては、シンガポール人は戦いません。

名誉ある撤退とでもいうべき、仕事を辞める事で解決を図ります。

日本人のように、職場の事で悩んで、鬱になる人や自殺をする人は、シンガポール人には皆無なのかも?しれません。

これは、良い事だと私は思います。





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今年は、シンガポールには、2月にコロナがやってきました。

すると、だんだん、コロナが、悪化すると、娘は全く、就職できなくなりました。

それは、毎日のようにたくさんあった求人自体が、コロナの影響で、少なくなり、だんだん、なくなってきたからです。

ただ、私は、2月以降ずっと求人を見ていたらしいですが、3-4月になると、コロナが酷くなり、とうとう、募集案件を見つけることが困難になってきたようでした。

だだ、娘は、運良くCBの最中に新しい仕事を得ましたが、こちらは、娘はあまり向かないセールス・営業の仕事でした。

しかも、コミッションも給料も低いので、私は、心配になり、少し口を出してしまいました。

大卒で、そんなに安い給料で、好きでもない仕事なのに、何故?そこに行くの?

すると、娘は冷静に…


あのね、いまは、コロナやねんで!ええねん、これも、コロナがなくなったら、辞めて、また、就活するわ!気にせんといて!

って、言ってました。


あのぉ〜、気にせんといてってゆーけど、もし仕事ないときは、誰があんたの面倒見なあかんのぉ?えーんえーん

あ~不安が頭をよぎる…


私は、娘の世話を死ぬまでするつもりなのか?嫌やでぇー。ほんなったら、就活はええから、婚活してーやぁ…。