こんにちは。Bibakoです。

前回の続き…

前回は、シンガポールの子供が勉強のストレスで『自殺』という痛ましい事について触れました。

私も本当にかわいそうな事だと思っています。

その原因のほとんどが『親からの過度な期待度』であります。これは、資料を見たわけではないけれど、私は長年に渡り、仕事柄と我が子のローカル学校での勉強をずっとみてきたので、まず間違いないと確信しています。

しかも、教育格差があるシンガポールの教育では、親の所得によっても、子供の勉強のストレスは違うのです。


今回は、ローカル学校におけるお子さんのストレスについてお話します。


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私の子供達はグッドスクールに通っていました。シンガポールのグッドスクールに通わせる親の所得に格差があり、家の所得が高い生徒が、集まっている事は教育省からの資料もあり、シンガポールの教育省は、それをわかっていて黙認しています。

つまり、学校に置いても格差社会が展開させれており、教育格差も自然に生まれてしまうのが、シンガポールの教育であります。

今回はそれがいい事か?悪い事かは?話題に致しません。


グッドスクール、グッドセカンダリーでは、PSLEやO level の前後には、親が我が子の成績をみて、このままでは、思わしくないと判断すると、お金を使ってお子さんを海外留学させたり、シンガポールの中のインター校、IB教育を取る学校へ編入学させる事も多くあります。

我が子の場合は、グッドスクール、グッドセカンダリー出身ですが、庶民の家の子供なので、受験戦争に逃げ道がある生徒達を横目に勉強に励むという、違うタイプの勉強のストレスがあるのでありました。

また、私は親として、グッドスクール、グッドセカンダリーに通わせる親が、お子さん達に持たせるお小遣いの多さにびっくりした事は何度もありました。半端じゃなく多いお小遣いの額面や親名義のクレジットカードまで持っているセカンダリーの生徒もおりました。

これは、うちの娘は女子校だったので、特に、娘は勉強のストレスは無いにしろ、同級生の嫌な性格のお金持ちの女子や、娘が通うグッドスクールよりも、ランクが高いグッドスクールからの編入学で来た生徒は、同じ学校に通う娘のような庶民の同級生を相手に、お金持ちをひけらかすタイプの女子も存在していました。

ただし、そんな生徒は、うちのような庶民の同級生をターゲットにするのですが、娘の学校は、学校の立地の影響もあると思うが、比較的、他のグッドスクールに比べて、庶民レベルの生徒も多いほうだと思います。

だから、娘の嫌な思いと同じ様な思いをしたお子さん達は、比較的グッドスクールの中では多い学校だったかも?しれません。


娘の学校は、比較的庶民も多くいるグッドスクールだったのですが、お金持ちのお子さんは、半端で無いくらいお金持ちのご子息も通っていた学校です。娘の学校は、庶民が比較的多くいるとはいえども、庶民の家の生徒の割合は、学校全体で見ると20-30%くらいの物だと思います。

だから、娘のストレスは勉強よりも、お金持ちのご子息達の生活であり、学校でも優遇されるのを、横目で見るのが嫌い子供でした。

だから、私に『なんでうちは貧乏なのよ!』と、親としては、心にグサッとくる悲しい言葉を向けられた事もありました。

ですから、グッドスクールやグッドセカンダリーは、私のような庶民の家のお子さん達には、勉強以外のストレスがかかる事もあります。

息子の学校もグッドスクール、グッドセカンダリーの出身でしたが、小学校はSAPスクールだったのでお金持ちのご子息が目立ちました。うちのような庶民レベルのお子さんのほうが少ない学校でした。

ただ、こちらは男子校なので、小学校の間は、男の子は女の子に比べて精神的には幼いという特徴が幸いして、娘のようなストレスはなかったですし、お金持ちをひけらかすお子さんは、ほとんどいませんでした。

それよりも、私のほうがストレスを感じたので、息子の学校の親達とはほとんどお付き合いありませんでした。大人のほうが、お金持ちのひけらかしが多かったからです。

息子のお母さん達は、専業主婦が主流で、家の車での送り迎えも多かったですし、うちの子供ように、親が共稼ぎの家のお子さん達が、スクールバスを利用していたに過ぎませんでした。


また、息子の学校では、お母さんの服装や持ち物も、日本の都会の有名私立小中学校にお通いのお子さん達のお母さんのような感じで、いかにも…という服装や持ち物、アクセサリーを身に着けた方々ばかり目立ちました。

息子は続きのセカンダリーには、点数が足りず、入学できなかったので、別のグッドセカンダリーに入学させました。

そこは、グッドセカンダリーの中では、娘の学校よりもややランクが低いグッドスクールでしたが、セカンダリーは、息子の小学校の続きのセカンダリーレベルとほぼ変わらないところでした。ラッキーにも、そこはSAPスクールでなかったので、息子はグッドセカンダリーのNA入学できました。

でも、私の目的は、グッドセカンダリーのエキスプレス、つまり、PSLE240レベルの学力を息子にも持たせる事でした。NAでは、グッドセカンダリーでもお話になりません。

しかしながら、その後は、息子の勉強が伸びたので、セカンダリー3年からはエキスプレスに編入できました。

息子は、お馬鹿な子供でしたが、私のように親が、導きを間違えなかったら、ちゃんと、セカンダリーでは、普通にグッドセカンダリーの生徒と同じ勉強のスタンダードにまで引き上げることは可能なんです。

しかも、息子には、過度な勉強のストレスを与える事もなく、長い目で計画して、時間かけてゆっくりと…という感じです。

ですから、息子も勉強のストレスは、そんなになかったですが、娘の学校と同じく、O level の前や後に、親がお金を使って海外留学というのは、普通にありました。

息子のストレスは、勉強から逃避できたり、O level の得点を気にしなくてもいい同級生に対しての嫉妬からのストレスです。これを感じていたと思います。

だから、グッドセカンダリーでは、生徒は、自殺には至らないですが、お金で人を蔑む事を覚えたり、人に嫉妬する事を感じたりする事を、娘も息子も自然に感じてしまいました。

グッドセカンダリーでは、小中学校を通して、成人までの子供達が、お金で人を判断する事を学んでしまうのが、庶民のお子さん達ですし、反対にお金持ちのご子息達は、変な風に、自分が稼いでいるお金でもないのに、お金に対しての自尊心が生まれて『メンタル』が壊れるという感じです。

IPスクールでは、勉強に対するストレスではなく、頭が良い、秀才や天才のような生徒達が多いので、学校での自分の席次に対してのストレスや、それこそ、勉強ばかりしかしてこなったので、IQは恐ろしく高いがEQが低く、コミュニケーション能力が悪い、生徒達が多いのも特徴なので、こちらも、『メンタル』に問題がある子供を多く排出してしまいます。


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つまり、シンガポールの教育は、学力が高い生徒を生み出すという部分は素晴らしいとは思います。

でも、私は日本の教育『知・徳・体』のバランスを考えた教育が、総合的に素晴らしいバランスをもった人間を生み出せるように思います。こんな素晴らしい教育は、世界の中でも日本よりも良い教育は少ないと考えます。

また、日本の教育だと、義務教育の間は、教育格差や子供達の学ぶ権利も守られるので、そこもお子さん達を預ける親達も安心できると思います。

シンガポールの教育にも良い部分はありますが、いろいろな意味では、悪い部分、子供が勉強で過度なストレスを感じたり、学校の中で生徒が、シンガポールの格差社会を、親の所得格差で学んでしまうような、あまり好ましくない部分も多々あります。

本当に国民のための良い教育というのは、なんなのか?と、私は未だに、日本人教師の立場から、シンガポールの教育については、疑問に思っています。

でも、シンガポールという国は、それで成り立っている国であるため、私の場合は、我が子達には選択肢無しで『シンガポールの教育』で学んでもらい、教育については、その国で生きるためには必要不可欠な事なので、私がいくら、日本の教育が素晴らしいと考えても、シンガポールでは、『郷に入れば…』が、一番、子供達にも良い方法だったと、私は思っています。

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子供の自殺や子供のメンタル問題、シンガポールの教育には、課題も浮き彫りにはなっていますが、日本人であっても、ハーフの日本人であっても、お子さんにローカル学校の選択をなさったのであれば、日本人の親達は、日本の教育の頭は捨てないといけない!と、何度もお伝えしています。

シンガポールの教育の目の前にみえる『学力の高さ』『バイリンガル』『他の学校よりも安い授業料』などでローカル学校を選ぶ事は、お子さんの自殺やメンタル防止が頭にないと、本当に危険です。

私は、何度も警鐘を鳴らしていますが、ローカル学校は、日本人が考えているほど、甘い学校ではありません。

また、ローカル学校を選ぶなら、親がちゃんとシンガポールの教育の在り方を理解する事が大切です。お子さんにもしも…の事があっても学校は責任とってくれませんよ。

ご自身のお子さんは、親であるあなたが守ってあげてくださいね。