1年間の語学留学から帰国した。

私が知る限り、文藻外語大学に在籍する60歳以上の語学生は、2名だ。

最年少は中学生3年生で、4月から日本の通信制高校に通いながら、引き続き文藻で中国語を学ぶ。

 

年代的には、20代が一番多い。

国別に見ると、ベトナム人と日本人が多く、

韓国人が意外と少なかった。

南米や欧州からも留学生も多く、ウルグアイ人やホンジャラス人など、初めて出会う国の人も多い。

 

 ペルーの友人は2月に台湾人の彼女と入籍し、二人で帰国する予定。彼女の実家で行われた婚約披露パーティーにお呼ばれするなど、親交を深めた。

親戚や友人に婚約の挨拶

 

ハグ

 イタリア人は陽気で人懐っこい。ドイツ人は真面目で日本人に似てる。欧州人はハグを普通にする。ヒデとロザンナのロザンナに似た彼女とはよくハグをした。抵抗感がなく、恥ずかしいと言う気持ちもない。

奥がイタリア人  手前がドイツ人

 

ドイツ人やベトナム人、インドネシア人ともハグをした。日本人とはしたことが無いし、出来ない。アジア人は自国ではしないだろうが、留学中の外国では、抵抗感が薄れるんだろうと思う。

 

 

語学力

 日本人初心者は殆ど下から2番目か3番目のクラスからになるようだ。日本である程度勉強してる人も多いし、何より漢字が読めるので有利だ。

 しかし、私のように「何言ってんだか分かんない!」と思う人は、初級1の一番下のクラスに替えてもらう。クラスの変更は1週間以内なら可能。

初級1のクラスでも結構中国語を話す人はいる。

 1年学んでも、私は自己紹介ができる程度の語学力しか身に付かなかった。

タクシーに乗って、行きたい場所が言える。

買い物で、買いたいものが買える程度にはなった。但し、買いたい物の単語が分かればの話だが。

 

同級生

 欧州からの交換留学生に聞いたところによると、半年間は華語中心に通い、週に1、2度大学の授業に出席し、半年後は大学だけの授業を受けるらしい。

 他の、例えばアメリカから来た交換留学生は、半年間華語中心で勉強して帰国するなど、語学だけの半年コースもあるようだ。

 社会人は色々で、3ヶ月の人は観光ビザで来る人も居れば、停留ビザを取得して来る人がいる。観光ビザの場合、終了試験(期末試験)を受ける前に帰国しなければならないこともあるので、注意が必要。しかし、事前に申し込めば前倒しで期末試験が受けられる。

 半年コースが多い印象を受けた。私の感想を言わせてもらえれば、3ヶ月は短いが1年は長い。半年が丁度いいかもしれない。

9ヶ月の人はあまり居ない。

 中国人は居ない。(受け入れしてない)ロシア人も聞いたことはない。意外と韓国人が少ない。フィリピン人も殆ど見かけない。

多いのは、ベトナム、日本、インド。アメリカ、イタリア、そして一括りしての南米人(チリ、ペルー、コロンビア、パナマ、ホンジャラス等)

彼らの共通語は、英語とスペイン語だ。

知り合った日本人の中に、大学でフランス語を専攻し、英語も話せる人が居た。スペイン語も話せるようで、中国語を取得すると、世界人になれる。羨ましい限りである。

 

1年の感想

 1年の修行を終え、よく頑張りました。と自分に言いたい。行く前は、1年も行けば「ペラペラになってるだろう」と考えていたが、そんなに甘くなかった。

若い人とは、競争にならない。

1週間に5、60の単語を暗記しなければならない。暗記するだけでも大変だ。覚えたつもりでも、3ヶ月もすると、普段使わない単語は忘れてしまう。

文法も中国語で説明されてもよく理解できないし、教科書も英語の説明しか書いてない。

にっちもさっちも行かない。

英語を日本語に訳し、中国語の文法を理解する。分からない事があると、先に進めない。

先生に質問しても、その説明は一生懸命に説明してくれるのだが、説明が難しい中国語であるから、半分以上理解出来ていない。

そんな時は、日本人の先輩に聞くのが一番だ。

上級コースの日本人先輩に教えを乞う。これが一番の解決方法だった。

 

台湾人との交流

 私は剣道を通じて台湾人の友人が出来た。

とてつもなくお世話になったし、最後には送別会も開いてくれた。台湾人は、日本人以上に付き合いは濃厚で、病気の時は「病院まで車で送るよ」と言ってくれる。感謝しかない。

 

同級生も、地元のスイミング、バトミントン、卓球などのスポーツ系や日本人と台湾人の交流会、ボランティア、ハイキング等に参加している。ベトナム人は入国してすぐにアルバイトをしているが、探せば出来るようだ。

語学力を伸ばすには、アルバイト等で実践的に学ぶか、台湾人の彼氏彼女を作るのが一番早い。因みに、現役日本人大学生の友人は、ベトナム人の彼女を作り、台湾生活をエンジョイしているし、毎日中国語で会話練習しているのであっという間に上達した。

これは秘密だが、キスもしたと言っていたので、やる事はちゃんとやってる。流石日本男児だ。

 

留学お勧め具合。

10代

 親に頼んで、行けるのであれば行くべき。

20代 絶対に行くべし。借金をしてでも行って損はない。これからの長い人生を考えれば、貴重な経験になる。

30代 新人から中堅へ、仕事が分かり楽しくなる時期、この先中国語で勝負しようと思うなら行くべし。慎重な判断を求める。

40代 難しい。仕事上では責任のある仕事を任される時期、部下を持ちやり甲斐も生まれる。仕事、家庭、将来。総合的に判断すべし。今から中国語を何とかして身に付けようとするには遅い。

50代 難しい。すでにベテランの域に達し、管理する側になっている事も。その時期に退職してどうする? しかし、今の仕事に満足はなく、いっそ早期退職して、60からの再就職に繋げる留学は可能性あり。但し、初心者には語学力の習得はかなり厳しい。お勧めはしない。

60代 定年後趣味で遊学するならOK。健康に留意し、留学生活を楽しんで。初級から始める人は日本で日本語が話せる先生から学んだ方が良い。経験者と言えども上達は諦めよ。

70代 若い学生と一緒に勉強することに意義あり。授業の邪魔にならなければOK。

 

英語力

授業はほぼ中国語。英語が出来る先生は、英語で説明できるが、少ない。教科書の訳や説明は英語のみ。従って、英語力がないと苦労する。

私はアプリで凌いだが、時間と労力が掛かる。

また、外国人とは初級の場合、英語での会話が主体。英語が出来ないと、コミュニケーションが取れない。中級からは、中国語が会話の基本。中国語力がないと、本当に困る。

 

中国語力

台湾に上陸した瞬間から、学校に足を踏み入れた瞬間から中国語の世界だ。当然だが、日本語は通じない。事務員も先生も、学生も食堂のおばちゃん、売店の店員にも日本語は通じない。

私は、台湾に行く直前に2級を取れたが、通用しない。最低でもHSK3級、出来れば4級以上の実力が望ましい。

全く分からない状況での留学は、考えただけでも恐ろしい。が、人間「為せばなる」それだけの根性があれば。歯を食いしばって勉強漬けになり、台湾人を見れば積極的に話しかけ、相手から「はぁ〜?」とか「听不懂」とか、手で「ダメダメ」と拒否されても、チャレンジする気持ちがあれば。 若人よ、ぜひやって欲しい。多分、中国語ペラペラの先人達は、みんなそうした苦労をして、修得したに違いない。

台湾もそうだが、中国大陸に留学した人は台湾以上に悔しい思いをし、時に涙し、人一倍頑張って修得したに違いない。

 

英語力も中国語力もない場合

 しぶとく生きるのみ。

辞書とアプリを最大限に活用し、必死について行くしかない。少しでも手を抜いたり、疎かにするとあっという間に取り残される。

うーやん先輩が言ってた。

「予習復習が大事、予習しないと授業について行けない」等。まさしくおっしゃる通りです。

留学生は皆んなそう思う。予習して、理解出来ての授業を受ける。でないと、授業にならず、「何言ってるか、わかんない!」で終わる。

 

試験

 試験は中間試験と期末試験。

他に、課毎の小テストがある。

真面目に授業を受けていれば、多少の「分かんない」でも進級はさせてくれる。

 

奨学金

 学期ごとに、学校から奨学金を貰える。

奇跡だが、私も1度貰えた。

 

成績優秀者には三千元、勤学者には千元。

事務所で勤学賞って皆勤賞の事か?と聞いたら、全クラスを通じての成績優秀者とのこと。

素直に嬉しかった。

 

もし、台湾南部の学校に行くなら・・・

(私の感想ですが)

名門大学で中国語学習を望む人

 成功大学

喧騒を嫌い、静かで落ち着いた環境を好む人

 屏東大學

そこそこ賑やかで、台湾人の大学生や高校生と出会えるチャンスを望む人

 文藻外国语大学

の3校をお勧めします。

 

 

最後に

 過ぎて仕舞えばあっという間の1年であった。語学力は期待通りにはいかなかったが悔いは無い。たくさんの台湾人にお世話になり友人もできた。「ブログを見てます」と言ってくれた方が何人も文藻大学に来てくれた。

 留学しなければ、知り合う事もなかった沢山の国の人とも出会えた。コロンビア人とかメキシコ人を見ると、カルテルか?と思っちゃうし。

勉強が一番の目的なので、(言い訳ですが)観光はあまりせず。でも、あっちこっち行ったし、観光では行かない夜市や場所にも行けた。

見る事、聞く事、やる事全てが新鮮で、その全てが勉強だ。本当に来て良かった。60歳を過ぎての留学ではあるが、決して無駄にはなっていない。残り少ない人生ではあるが、後悔はなく、出会った人全てに感謝する。

 

谢谢老师,谢谢同学,谢谢台湾和谢谢大家。

何時の日かまた逢いましょう。

再见!