おはようございます
今日はパッチワークではなく、映画のお話です
大好きなフィンランドの監督、アキ・カウリスマキの映画が公開になったので、さっそく観てきました。
タイトルは、「希望のかなた」。
~あらすじ~
内戦が激化するシリアのアレッポ。家も家族も失い、命からがら祖国を離れたカーリドは途中で唯一生き残った妹とはぐれてしまう。いくつもの国を経てフィンランドのヘルシンキに流れついたが難民申請が却下され、強制送還されることに。収容施設を逃げ出すも、路上生活を送る中で差別や暴力に晒される。空爆で全てを失くした彼の唯一の望みは、妹の未来を見つけること。そんな中レストランオーナーが彼に救いの手をさしのべて・・・やがて希望の光がさし始める。
この映画はアキ・カウリスマキの、”難民3部作”の二作目。
一作目の「ル・アーヴルの靴磨き」もすごく良かったけど、これもまたまた温かくて
すべてを失い、ヘルシンキに流れ着いたばかりのカーリドが、路上のミュージシャンやホームレスに投げ銭するシーンがあって・・・
普通に暮らしている私たちは、そこでハッとさせられます。
そして儲かってもいないレストランオーナーと殴り合いのあと、そのオーナーが不法滞在のカーリドをかくまう。
この監督の前作も、アフリカから流れ着いた少年をフランスの小さな港町で慎ましやかに暮らすお年寄りたちがかくまうという、人情にあふれた物語でした。
今日の難民問題に一石を投じるアキ・カウリスマキの乾いたユーモアと、弱者への温かいまなざし。
絶望のかなたにある人間らしさを、笑いや哀愁たっぷりに描けるこの監督には、これからも目が離せません。
映像はいつも通り、ものすごくノスタルジック。
スクリーンの色だったり、セットだったり、すべてが昭和の舞台劇みたいなんです。
理由は、小津 安二郎。
”東京物語”を見て、それまで作ってきた映画は何だったのかと思ったそうです。
こういう理不尽な状況に文句さえ言えないような、家も行き場もない人がたくさんいると思うと、日々のちょっとした出来事に腹も立たなくなりますね(^^;;
「この不寛容な時代にこそ、ユーモアと人情を忘れずに。」と言われているような気がしました。
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