
財政支出を増やさず増税してGDPを増やす方法

6月25日
自民党の参院選の公約に、40年までにGDPを1000兆円を超えるようにすると、本当にやるのなら、けっこうな公約があります。
でも財源問題から財政支出をせず増税をすることでGDPをどう増やすのかと思うと選挙だけの言うだけの公約ではないかといわざるを得ません。
財政支出を増やさず、かつ増税によってGDPを増やすというのは、一般的な経済学の視点から見ると、非常に難しい、あるいはほとんど不可能に近いと言わざるを得ません。
なぜなら、GDPは通常、以下の要素で構成されるからです。
◆GDP = 消費 + 投資 + 政府支出 + (輸出 - 輸入)
この式からわかるように、政府支出が増えない中でGDPを増やすためには、「消費」「投資」「輸出」を増やす必要があります。
そして、増税は通常、以下のメカニズムでこれらGDPの構成要素を減少させる方向に作用します。
・消費の減少
所得税や消費税が増税されると、家計の可処分所得(手取り収入)が減少し、消費意欲が低下します。
・投資の減少
法人税が増税されると、企業の利益が減少し、投資のための資金が少なくなります。また、投資減税などが縮小されれば、投資へのインセンティブが失われます。
このように、増税は通常、GDPを押し下げる要因となります。
しかし、非常に限定的な状況や特定の理論的視点に立てば、間接的・長期的な効果として、増税がGDPに良い影響を与える可能性も議論されることがあります。
ただし、これは「増税によって直接的にGDPを増やす」というよりは、「増税がもたらす他の効果が、結果的に経済全体の効率性を高める」というニュアンスが強いのです。
以下に、一般的な経済政策としては推奨されない、あるいは限定的なケースであることを強調しておきます。
※財政規律の回復と信認の向上
考え方: 深刻な財政赤字を抱えている国の場合、増税によって財政規律が回復し、国の信用度が向上することがあります。
国の信認が高まれば、長期金利の安定や海外からの投資誘致につながり、結果として民間投資を刺激する可能性があります。
・メカニズム
財政悪化が深刻すぎると、将来の財政破綻への懸念から、企業や個人の投資・消費マインドが冷え込むことがあります。
増税によって財政健全化への道筋が見えれば、その不確実性が解消され、経済活動が活発化する、というシナリオです。
・課題
この効果は非常に間接的であり、増税による直接的な消費・投資抑制効果を上回るかは不確実です。
また、増税の規模や時期、経済状況によって効果は大きく変動します。
現在何らかの政策や減税をすることが議論されると必ず、ことさら日本政府の財政を債務の大きさだけで、資産が世界でも非常に大きいことを考慮せず、日本の財政状況が良くないと断定して、財源問題を持ち出して議論の思考停止をはかり、政策の選択肢の幅を狭めるという馬鹿げたことが行われていることに本当に怒りを禁じえません。
結論として
財政支出を増やさず、増税によって直接的にGDPを増やす方法は、経済学の基本原理に照らして非常に困難です。増税は一般的に、民間部門の消費や投資を抑制し、GDPを減少させる要因となります。
この様に考えると自民党の参院選の公約は基本的に疑念いっぱいです。
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