
融資余力
5月25日
前回の投稿の続きです。
地銀に限らず、メガバンクはもちろん、信金信組の融資余力については基本は同じです。
金融機関の「融資余力」とは、金融機関が企業や個人に対して資金を貸し出すことのできる能力や余裕を指します。
これは、金融機関の財務健全性、預金残高、リスク許容度、そして中央銀行の金融政策など、様々な要因によって変動します。
◆融資余力を決定する主な要因
1.自己資本比率
金融機関は、国際的な規制(バーゼル合意など)に基づき、リスクに見合った自己資本を保有することが義務付けられています。
自己資本が厚いほど、損失吸収能力が高まり、より多くの融資を行う余力があります。
2.預金残高
融資の原資となるのは預金です。預金が増加すれば、その分だけ貸し出しに回せる資金が増え、融資余力が高まります。
3.不良債権の状況
過去の貸し出しが焦げ付いて不良債権が増加すると、金融機関の損失が増え、自己資本が減少します。これにより、新たな融資に回せる資金が減り、融資余力が低下します。
4.リスク許容度と貸出姿勢
金融機関は、景気の見通しや貸出先の信用リスクを評価し、どの程度リスクを取って貸し出しを行うかを判断します。経済状況が悪化したり、先行きの不透明感が増したりすると、金融機関はリスク回避的になり、貸出姿勢が慎重になる傾向があります。
5.金融政策
中央銀行(日本では日本銀行)の金融政策は、金融機関の融資余力に大きく影響します。
・低金利政策
金融機関が資金を低コストで調達できるようになるため、貸し出しを促進する効果があります。
・量的緩和
中央銀行が国債などを買い入れることで市場に資金を供給し、金融機関の預金準備を増やすことで、貸し出しの余力を高めます。
・貸出支援策
特定の分野(中小企業、環境投資など)への貸し出しを促進するための融資制度や資金供給策が導入されることもあります。
・有価証券投資の状況
金融機関は、融資のほかにも有価証券投資を通じて収益を上げています。有価証券の含み益や益出し余力が改善すると、金融機関の損失吸収力が向上し、融資余力にも好影響を与えることがあります。
◆マクロ経済への影響
金融機関の融資余力は、マクロ経済に大きな影響を与えます。
・融資余力が高い場合
企業は設備投資や事業拡大のための資金を調達しやすくなり、経済活動が活発化します。個人も住宅ローンなどを組みやすくなり、消費を刺激します。これにより、経済成長が促進されます。
・融資余力が低い場合
企業や個人が必要な資金を調達できなくなり、設備投資や消費が抑制されます。これが経済活動の停滞を招き、景気悪化につながる可能性があります。特に、信用リスクが高い中小企業にとっては、融資が得られにくくなることで倒産リスクが高まるなど、より深刻な影響が出ることがあります。
このように、金融機関の融資余力は、経済の血液ともいえる資金供給の要であり、その動向は景気の行方を占う上で非常に重要です。
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